渡の通う大学の爆破予告による学校封鎖。自閉症の渡は、新しく始まった身辺自立のプログラムに参加していたので、大学から離れた場所にいた。なので、影響はないと思っていたら、なんと、午後から大学に行く予定だったらしい。けど、大学が封鎖ということで、大学には近寄れないため、突然スケジュールが変更。
渡から連絡があって、
迎えに来れるか?
と聞かれた。お姉ちゃんは自宅にいたけど、クルマを修理にだしていて、身動きとれず。わたしも遠くに出かけて仕事していたので、迎えに行けず。
けど、私は、身辺自立のプログラムの先生は自閉症のプロの先生でもあるので、自宅まで送ってくれるのだろうと思っていた。少なくても昨年の先生はそうしてくれていた。
ところが!先生のとった行動がありえんかった。行なったことは、
現地解散
いや、それ自閉症にやっちゃダメだろう….。と思ったのだけど、先生か、もしくは、助手の先生が指示は出してくれていたのか、解散場所から歩いて一人で電車に乗り、一人でバスに乗り換えて、家から2km離れたグロッサリーストアーの前でバスの降車ボタンを押し(こちらは紐をひっぱるのだけど)下車。下車したら、自分がどこにいるのか?をわたしに電話で知らせて、
僕は今から歩くから。
と宣言して歩いて自宅まで帰ってきました。このグロッサリーストアーは、週末によく一人でお使いを自転車で行って貰っている所です。行かせてて良かった週末のお使い。
いや、すごい….こんな突発的な事の対応が出来るように成っている。先生も出来ると判って、現地解散にしたのだろう。他の生徒は先生が付いて帰った生徒もいたそうだ。爆破予告と聞いただけで、普通は驚いてパニックになるのに、パニックも起こさず帰って来たのは成長だな。
それにしても、田舎ののんびりした高級住宅街で、畑の中にあるような大学なので、鹿や野生動物が出る。なので、爆破予告があっても誰も慌てず、のんびり。パトカーも1台しか来てくれない。
なんだか普通の風景。これがUCバークレーだったりしたら、速攻でパトカーも山のようにやって来て、マスコミのヘリコプターが飛びまくり、ヘリの爆音の中、大勢のニュースキャスターがマイク片手に唾飛ばしながらレポートしてるんだろうなぁ..。
Twitterでは、学生たちの
- 今日さぁ.....科学のテストの予定....だったよね。
- イタヅラだね。
- しょうがないね。
みたいな、悲しげなツィートがポツポツと流れてる...。
間違いなく、学校封鎖の間も、野生の鹿はいつも通り草を食べ、リスはちょろちょろ走り、住み付いた野良猫はあくびをしながら、抜けそうな青い空の元で眩しいお日様をあびて、1日を過ごしたのだろうなぁ。のどかな田舎は、爆破予告をうけても、のどかなまま...。
なんだか、超ふぬけた感じの爆破予告のための学校封鎖でした。