渡の人生で後残り2回のうちの1回目のIEPが終了。あともう1回やったらおしまい。
今年は息子が中学の時に比べたら、スムーズ。成果が見えて来ている事などもあるけど、やはり準備は大変。今回は体重2kg減。資料作成しながら、ポテトチップス1袋とか食べてたのだけど、(日本の倍の大きさで、1袋1500cal)減った。
終了後は、体重2kg減。IEPって、一番効率のいいダイエットかも。この期間、開発リーダーも解っているので、私がIEPの資料作成や手続きしてて仕事がはかどらなくても、何も言わず、しっかりカバーしてくれるので、ありがたい。こういうい理解がある人が会社に居てくれる場合はいいけど、居ない場合は親にとってはIEPはほんと大変だろうな。
昨年からIEPには子どもたち2人とも参加です。夕飯を作る余力は持ち合わせてなかったので、娘と相談してミツワで日本のカニチラシとカニいなり&日本酒で乾杯。久しぶりに呑む日本酒はおいしい。やはり日本からの輸入ものです。アメリカ産でも私好みの日本酒が呑めないかな?と前前から思っていたら、あと数年したら、シアトル産のすごく美味しい日本酒が呑めそう。この冨沢酒造店の「白冨士」。呑み逃していたのですが、まさかアメリカで呑めるチャンスがあるとは思わず…。楽しみぃ!
記事→福島県双葉町「冨沢酒造店」、伝統の地酒「白冨士」復活を賭けシアトル移住を決断
終了した今日は、頭が冴えすぎて眠れない。IEPありえん(笑)という事で、今日のIEPの驚いた事メモ。渡の職業訓練の担任の先生は全米の治安の悪い場所上位3位に常に入る街からやって来た。ちなみに今の大学は、すごーーく高級な住宅街にある。我が家は高級住宅街ではないので、大学に入った頃は私が送り迎えでした。もしくは障がい者や高齢者専用タクシー。
けど、Voice4uを使って、バスの乗り方を訓練した(小さい頃からバスは乗り馴れていた)ので、現在は渡は高級住宅街に行くために長い道のりを歩き、バス停にたどり着き、バスに揺られて大学に着く。大学の授業をうけて、それから、職業訓練のプログラムに向います。この大学を選んだのは、まずは渡の希望。私がここを選んでくれてラッキーだったと思ったことの一つは、降車バス停が終点。乗り越しはないわけです。さらにバスに乗る人も大学生か、もしくはその大学で働く人。たまにおじいちゃん、おばーちゃんがいる。おじいちゃん、おばあちゃんは、大学の隣に高級なリタイアメントセンターがあるので、もちろん専用のバスなどがでているのですが、運動がてら公共のバスを使うらしく、たまにそこのおじいちゃん、おばあちゃんがのってきたりもします。
治安の悪い場所から最高に治安のいい場所に転勤でやってきたこの男の先生は、当初はすごく混乱したらしい。もちろん治安の悪い場所でも職業訓練はあり、バスの乗り方や電車の乗り方、歩き方、横断歩道の渡り方なども教えます。通勤に必要だからですね。渡はいつもバスの一番後ろにのるので、先生は、
えっー危ない!バスの乗り降りの訓練を親がしたと言っていたけど、これは駄目じゃん。
と焦ったそう。治安の悪い地域でのバスの場合、後部座席は犯罪の巣窟。なので、対象になりやすい障がい者は運転手の近くに座るのがルールだそう。危ないから。だけど、治安のいい場所ではそんなことはない。どこにのっても安全。日本のバスと同じです。乗る人が決まっているので和気あいあいと話すことなどもあります。田舎のバスと同じで、
Hi Wata,
How are you dong?
とか言われます。
さらに、渡がiPhoneをバスの中で取り出すのにも驚いたそう。そんなもん、公共の場所で取りだしたら、治安の悪い街では
1秒目:iPhone出す
2秒目:取られる
2秒で完結。なので、携帯を出していい場所も教えるそう。
こんなことは、治安のいい場所ではないので、注意する必要はない。こんなに違う職業訓練。
けど、やはり治安が良くても、考えつかない不都合なことがあるらしい。治安の悪い場所では、物を買う訓練の時に、財布を直すのにモタモタしていると狙われてしまうので、すぐに財布をだして、買って鞄に戻すという訓練が必要らしい。ところが、この行為、実はこの高級住宅街でも必要らしい。
高級住宅街でもやっぱ盗難はあるのね
と思いきや、そうじゃないと言う。渡はクラスでは重度のほうなので、財布を出して物を購入するという行為がどうしても遅いらしい。モタモタと財布をだしモタモタとバックパックにしまう。家でも買い物訓練は小さい時からしていたけど、たしかに彼は財布だけしかもっていかないので、手に握りしめた財布からお金を出してのお支払いは簡単に出来る。
渡の行動で、モタモタと財布を出すということで、注意しないとけない事は盗難ではなく、後ろに並んでいる人が渡のかわりにお金を出してくれてしまう事。渡は話せないのに、なぜか地域の人が知っている場合が多い。大学に行く前、このあたりで訓練するとわかっていたので、私が引き連れてこの高級街あたりで、渡のジュースとかの買い物していたのもありますので、みんな名前とかは知ってるわけで。
他人様におごられているという意味がわからない渡は「この店は、前回のように、レジの列に並べば、無料で貰える」と脳内にプログラミングされて、次にきた時は、渡は購入したいものを見せるだけで、
レジに並んでから堂々と万引き未遂状態
になるらしい。まー、取らない事はみんな知ってるし訓練の先生もいるので問題ないのだけど、これも訓練せねばならない。
治安の悪い地域のように、財布を取られても、子供には恐怖が残り、財布をだしての購入ができなくなる。
治安のいい地域のように、おごられてしまって、払わないでいいというプログラミングがされてしまうので、購入という行為は出来なくなる。
どちらも訓練は難しい。ということ。先生は、いろいろお話して、丁寧に断って、もし渡が一人でいて、すごく困っていた時は助けてあげて欲しい事などを伝えるらしい。
私達が住む普通の地域でやってくれれば、安全だしおごってくれる人は余り居ないので、いいかもという話をしておりました。ただ、飲み屋で呑んでて、気が大きくなった人がおごってくれる事はあるが、渡はのまないので、大丈夫。まー女性じゃないし、おごられる確立は少ないが。
そうかー!大金持ちになったことがなかったので、お金もちの街でそんな事が起こるとは知らなかったよ。
さらに凄い事は、高校時代にさんざん渡が数学の宿題を見せていた女の子がバイトしている店とかがあるらしい。高校時代の話です。渡は高校時代も数学が大好きで、一度も宿題を忘れた事がない。クラスの女の子達はすぐにその事に気がついた。それで彼女達は、毎朝早めに教室に入る渡に宿題をみせてもらっていた。渡も美女からの頼みだとしたら、なにがあっても断らない。その時に同じクラスだった宿題みせていた子が、渡の事は覚えているので、その子は高校時代、毎日宿題をうつさせてもらっていたお礼にレジでおごってくれたりおまけをくれたりする。この場合も意味が分かりにくいらしい。渡は美女に会えただけで嬉しいので、それ以上なにかして欲しいという気はないし。ただ挨拶するだけで人生幸せみたいな。
「物を買う」
と言う事一つだけでもこれだけ大変な渡です。