自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

高校生の食事

お昼に会社にインターンできてくれている高校生の子と一緒に食事になりました。いつもお母さんが運転してくれて遠くから来てくれる子です。今日は午後のインターンの子がお休みだったので、お昼を一緒にとなりました。

珍しく渡も会社にいたのですが、この親子が来たとたん、あの不安定だった渡がいつもの調子に戻った。けど、挨拶されてるのに無視。この辺りはまだ本調子じゃないので、タイミングがうまくつかめらしい。失礼きわまりないのだけど、男の子なので、なーーんにも言わないし、むっとした顔をする訳でもなく。なんだか、高校生の方が大人よりすごかったりします。

さて、みんなでラーメン屋さんへ。

高校生の2人は自分のiPhoneをいじり始めました。渡は、このインターンの男の子がかっこいいと思っている模様。たしかに、親の目からみても、この子はかっこいいんです!なので、渡が彼を意識しているのがとてもわかる。なんていうのかなぁ、、、。クラスでかっこいい同級生がいて、

「ちょっとあいつの髪型まねてみるか。たしかにアイツは、かっこいいよな。」

と思うのに似てるというか。

渡は、youtubeで、ディズニーのお姫様を見始めました。インターンの子は、もちろんゲームです。渡はどうも気になるらしく、ちらっ、ちらっと彼がiPhoneで何をしてるのか、覗き込んでいます。見てみるとそれはやはり年齢相応の男の子のゲームな訳で。まさかその男の子が渡のように「美女と野獣」のお姫様を見たりはしない。さすがに渡は恥ずかしくなったらしく、そーっと、自分のiPhoneが見えにくい角度に持って行っている。なんだ!幼稚だっていうことは、わかってるんじゃん!笑った。

さらに渡はいつもここでは大盛りラーメンなのに、今回は、普通盛りが来てしまった。いつもの渡だったら、パニック。

「帰りにスプライトを買ってあげる。」とか言ってごまかすしか方法はないのですが、今回は、ライバル??の高校生がいる訳で、まさかそんな醜態はさらせないと思ったようで、

「ふっ。」

と小さなため息をついて、無言で食べ始めた。えっー、ありえない。驚く私。

やっぱり渡も自分がモデルにしたいと思う人に接する時間って大事だなと思いました。特に自閉症の場合は、抽象的な言葉は苦手ですので、「いい子」や「ちゃんとした行動」などというのは難しいゴールです。しかし、○○くんのようにというのは、まだ目標としてはわかりやすいのだと思います。

憧れる同年代がいるっていうのはやっぱりいいね。ありがたく、かつ、優しいインターンの子のお話でした。