自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

渡の悪事~キャンプ編~

渡は、5歳の時に初めてキャンプにゆきました。友達が誘ってくれて、30名近い大グループでのキャンプでした。自然がもともとスキな渡は、もううれしくてうれしくてという感じだけど、多動が入っているので、ちょろちょろと、落ち着かない。0.1秒目を離すとどっかに行ってしまいます。で、水も好きなので、こまったな。と思っていましたが、川は、私たちがキャンプをはったところから、1KM近くあるかないと行けないので、ほっとしていました。

しばらくいいコで持参した大好きなトーマスの電車であそんでいた渡。けど、あっという間にいなくなった。みんなで大慌てで、探しました。ステイトパークのキャンプ場に泊まっていたので、レンジャーの人にも訳を話しました。

けど、彼を誘拐するのは、とても難しいことです。知らない人が渡を触るとパニックになるし、逃げ足が速いし、抱き上げるとものすごい力で降りようとするからです。

レンジャーの人には、

「渡は障害があって、手をつなぐことはできないので、見つけたら、牛をおうように、後ろから歩くのを促してくれ」

と話しました。

私は、川だな!と思い。川のほうへと走って探しにゆきました。

川に着く手前のところで、友だちが、後ろからやってきてくれて

「ワタがいた!キャンプ場に男の人に連れられて戻ってきた!!」

といわれました。

あわてて、キャンプ場にもどて、様子を聞くと、男の人に手をつながれて、キャンプ場に戻ってきたといいます。あの、手をつなぐのがなによりも嫌いな、渡が!手をつないで???

その時の渡の様子は、すごく興奮して、うれしそうだったといいます。

渡を連れてきてくれたオジサンは、

「川で一人で遊んでいたので危ないから、ママは?と声をかけたら、自分で僕の手を取って、ここまで歩いてきた」

といいます。

友だちが、

「ワタちゃん。みんな心配したのよ。どこにいってたのよぉ」

って問い掛けると、渡は突然その連れてきてくれたおじちゃんを指差して、

”Sir topham Hatt!!”

(トーマスにでてくるトップハムハット卿の名前:写真左)

といったそうです。

一同、大爆笑。本当に、そっくりで物語からでてきた感じだったそうです。

連れてきたオジサンは、みんなが笑う意味がわからず・・。

渡はトーマスは自宅からもってきていたが、トップハムハット卿は持ってきていなかったんで、もう大興奮。まさかここで本物に会えるとは・・・みんなに教えてあげなきゃ!!と思っていたみたいです。なので彼は自分がキャンプ場に連れてもどされたのではなく、自分がハット卿を連れてきてあげたと思っている様子でした。

まっ、いろいろやってくれます、渡は!