自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

香穂の就職の不思議話。こんなことが本当に起こるんだ!と感じて、これで映画が1本できるんじゃないか?と思った。

数年前から香穂は、大好きな映画を1本、制作発表前から追っかけておりました。その映画のスタッフや、メンバーの動向や制作過程等々、まるでスタッフの一員であるかのように追いかけておりました。チームワークが大好きだったようです。

制作過程での実質的な監督(Aさん)が、彼女と同じストーリーボード出身あることも大きかったです。さらにこの映画のストーリーボードの担当の方(Bさん)も大好きでした。この映画の作成が終わり、劇場公開されるころ、このストーリーボード担当の方にアポイントメントを取れないか?というで、ネット経由でアポイントメントをとって、自分のポートフォリオを見てくださいと頼むほど。相手のBさんも非常にいい方で、

「LAに来る用事がある時は、言ってください。今、僕XXX会社(有名アニメ会社)で働いているので、LA(ロス)なんだよね」ということで、香穂はすぐに飛行機にのって、自分のポートフォリオ(絵の履歴書みたいなもの)を見てもらいました。

30分だけといっていたポートフォリオのレビューが2時間になり。いろいろ教えていただいて、大感動の香穂。

Bさんからは、

香穂、この世界はなかなか大変だけど、絶対にやめないでね。必ずいつか僕と一緒に働こう。大変なこともあるけど、へこたれないでね。

といわれて、

絶対にやめないです。10年後にでもぜひ一緒に働かせてください。

と言いながら握手して別れたそうな。

そんなことが1年半前があり、この大好きな映画を作った会社を受けようとしたのですが、なにぶん大きくないところなので、「新人は雇いません」ということで、受けることもできず、みごとに玉砕。随分がっかりしていました。それで新人でも最初のうちは、師匠がついてくれるようなプログラムのある会社に行きたいとおもっていたそう。そこから就職内定をもらった彼女。喜んでおりました。まずは、会社のリクルーターの方にどのような仕事をするのか?の説明がありました。

そうすると

Aさんが監督として新しく作る映画のスタッフの一員として働いてもらいます。

とのこと。涙ぐんでおりました。そんなチャンスがこんなに早く巡って来るとは思っていなかった香穂。

それで、お世話になった方にお礼状を書いておりました。もちろん、LAでポートフォリオを見てもらったB さんにもメールでお知らせ。そうしたら。

えっ!えっ!!!!香穂、そこで働くの?ぼくもXXX会社はプロジェクトが終わったので、今は、僕も香穂が入る会社で働いているんだよね。会社でおちついたら、挨拶にきて!

と言われて、いやー、この巨大会社でBさんをみつけるのは大変だと思っていたみたいだけど、入社したら、早めに見つけてご挨拶にいこうと思っていたそうだ。

さて、挨拶回りの日。

どのようなことが行われるかというと、香穂には師匠が特別に2名つき、その代わり普通の人の半分の時間で仕事をおぼえることを言われたそうです。飛び上がって喜ぶ彼女。(私だったらすごくプレッシャーで落ち込みそう)さらに、定期的にA監督も入ってきて、香穂の指導にも当たってくれるそうだ。香穂、手が震えるくらい嬉しかったそうです。監督に直々になにかを教えてもらえるなんて、こんなにありがたいことはないと思ったそうだ。

リクルーターの人が、社内をまわってツアーをしてくれて、途中から同じ制作チームの1人も一緒にまわってくれて、チーム全員に会えたそう。みんな忙しいのに、申し訳ない。

それで、最後に、制作チーム1名の人とリクルーターの人が

あなたのボスを紹介するわ。会ったら驚くわよ。すごい人よ。さて、行くわよ。

と言われて、個室の大きな扉を押してあけたら、なんと中でBさんが立っていた。Bさんが

香穂、おめでとう。よくここまで上り詰めたね。頑張ったね。

と言われた途端、涙がでるかと思うくらい震えたそうだ。人間って感動すると本当に震えるんだね。と言っておりました。香穂は

ありがとうございます。頑張ります。

というのが精一杯だったそう。

リクルーターも制作メンバーもすごくびっくりして、

えっ??なんで??なんで??どうして香穂は彼を知ってるの?

と大騒ぎ。いろいろ話して

へっーーー!!そんなことってあるのね。

とみんな感動していたそうです。すごいわねー、ご縁だわねー。ということで、挨拶回りは終了。

さて、今から家探し、引っ越しなどが行われますが、渡のほうの事務仕事もお姉ちゃんがいなくなるので、いろいろな煩雑な手続きが必要になります。これはこれで大変で、寝る時間もないくらい忙しくなる彼女です。いろいろ引っ越しとかも手伝うねー。頑張ってねー。