自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

香穂の日本人学校の卒業式

香穂の日本語補習校の卒業式です。泣きました・・。私。香穂にというより、高校2年生の子たちの答辞に・・。(高校は、アメリカの大学は半年早くはじまるので、2年で終了です)高校と中学合同の卒業式でしたので、高校生の卒業生全員が答辞をよみました。7名です。すばらしかったです。

で、話をもどして・・。

香穂は、小学校1年生の入学式の日から、今日のこの卒業式の日まで、毎週土曜日に朝8時30分から、夕方4時近くまで、日本人学校に通っておりました。入学したときは、4クラスあった学校ですが、中学卒業のときは、ひとクラスに。27名が卒業しました。

この学校は、日本の教科書を使い、日本の公立学校とほぼ同じ速度で、勉強は進みます。週1日通って、日本の学校と同じだけ勉強しようという学校です。となると、宿題は、膨大な量がでて、アメリカの学校(現地校)でも膨大な宿題がでるので、子供の負担は、すごいものがあります。転校してきた生徒が多い学校で、綺麗な日本語を話してくれる生徒さんが多いので、香穂は、日本語の勉強になりました。

香穂自身は、人生のうちでは、日本に3週間も行っておらず、外国の勉強をするのとほぼ同じです。これは、どういうことか?というと、ちょっと長めの休暇を取って、たずねたことのある国のお勉強とでもいいましょうか。彼女の負担は、日本から、転校してくる子供と机を並べて、あまり知らない国のことを勉強するという部分にあるのでは?と思いました。私は最初は、小学校だけ、通ってくれればと思っていましたが、なんと中学まで通いぬきました。小学校の時は、私のほうが、見かねて

「やめてもいいんだよ」

と何度も言ました。

けど、通いとおした。素直にこのことは、香穂に脱帽です。

だって、私は断言できる。私があなたの立場ならできません。本当によくやったと思います。

というのも、香穂には、さらなる負担がありました。渡は昔、喘息の大発作を金曜日の夕方に出すことが多く、自閉の渡は病院で、泣いたり暴れたりすることも多く、彼女は、心配で、朝まで病院の緊急に付き添い、次の日、ほぼ徹夜の体で、小学校に行ったことも何度かあります。そんな状況で、学校に行き、国語の教科書を開くと、反比例して、まぶたが閉じてしまうわけで・・。事情をしらない先生は、寝ている香穂に教科書で頭を叩いて、怒ったこともあるそうです。香穂は、そのことを学年が終わるまで、私に黙っていたので、次の担任の先生には、我が家の事情を説明して、彼女が学校で寝ても、それは、弟が、睡眠障害があって、毎朝4時にパニックと、大声で起こされることや、前日の夜に緊急病院に運ばれることもあることなどを説明しました。小学校4年生の時のK先生は、香穂のことをよく理解してくれて、こっくりこっくりと寝ては、びくっん、と起きる香穂に向かって、みんなが、気がつかないように、小さい声で

「香穂ちゃん、寝ていいのよ」

といってくださったそうです。香穂いわく、

「嬉しかったけど、そういわれると、逆に、なかなか寝にくいんだよね。」

に、爆笑したこともありました。なので、今日頂いた卒業証書は、香穂に取っては、重い意味のあるものです。

親バカですが、ここで香穂に伝えておきます。

「卒業おめでとう。よくがんばったね。私はあなたのことを誇りに思います。」

香穂は、日本人学校の高等部の試験もうけました。来週に結果が送られてきます。これも楽しみです。