自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

In home supportive services

In home supportive services(以下IHSS)の福祉サービスを渡は昨年度から頂いています。このサービスはなにか?というと、12歳になる渡が、まだ一般の子供のように、自立できずにいる部分を親がすべて世話をみているので、その部分の一部の負担を福祉サービスでカバーしようというものです。そのサービスの追加査定で、担当のソーシャルワーカーの人が我が家を訪問しました。

このような福祉のサービスを申請するときに、私がこころがけているのは、

  1. 誰がみてもわかる資料作成
  2. 窮状をグチにならずに、助けてほしい部分を誰が聞いてもわかるように伝える
  3. 命に関することが一番大事なので、安全ということについてクリアに伝える。

これに集中して頭を整理します。

どんないいサービスや福祉があっても渡が、怪我をしてしまったり、命をうしなってしまっては、それは、意味がないものになってしまいます。

安全というのは、なによりも大事なことです。

なので、私は、現実の状態を誰がみてもわかる形で伝えるように常に心がけます。前回は、渡と障害のない子供のケアの時間が違うというのを誰がみてもわかるようにグラフにしました。

今回の査定の目的は、昨年末の怪我。渡は、自転車にのるのが大好きですが、昨年度末に勝手に家を出て行って、自転車で怪我をしました。こういことは、すぐに福祉関係、学校に文書で連絡します。

母がみてなかったので、ではすまないのが、自閉です。

知恵もある自閉症児の渡は、私がトイレにいった隙などを見計らって、さっとでてゆきます。

無責任に

「お母さんがしっかり見ていないから・・」

などという人が、たまにいますが、

それを認めて、子供をお母さん一人でみようとすると、お母さんは、眠れないし、生理現象をも止めないといけないわけです。母の私は、渡だけを育てているわけではないので、皆で渡を守ることを話し合います。そのためのIEPのチームですので、24時間の監視体制を作れる方法を話し合います。

自転車ででかけた折の怪我の写真入りだと皆がわかりやすくて、なおOK

渡にかかわるすべてのIEPチームの人たちが、渡をよく知っておくことが大事です。なので、怪我をしたり、問題行動が起こった場合は、すぐに知らせるようにして、皆で渡に注意してもらいます。普通は、緊張するようなお客様が来るときは、とりちらかった我が家の中を少しは片付けますが、こういう福祉関係の人が来訪するときは、特別に何時間もかけて家を部屋を掃除したりすることは、しません。

なるべく現状に近い形で見ていただく。たしかに恥ずかしいのですが、こちらが、何かを隠してしまったりしては、担当の方も我が家の現状をつかみにくくなるのでは?と思ってのことです。

もし私がソーシャルワーカーだったとして、担当の人の家に行くとしたら、綺麗に整った家をみるよりも、その家族が現在何に困り、現状はどうなのか?を知り、できる限りのことをしたいと思うからです。

ということで、ありのままの我が家をみていただくことに。

私があまり緊張していないので、渡もリラックスしていて、

「いつもどおりにしていていいのかな?」

と思ったみたいです。

そして、ソーシャルワーカーの人が話だしました。

「私の名前は、○○です。今日は、渡の安全について、渡をより安全にケアするために、さらにサービスが必要かどうかの査定に・・・・」

とここまで話したところで、別室から、テレビの大音量が家中に響き渡りました。耳が聞こえすぎる渡は、私たちの話し声がうるさくて、テレビが聞こえないので、最大ボリュームにしたわけです。

「・・・・安全にケアをするためのサービスは必要ね。」

とすぐに言われてしまいました。

さらに、

「渡が危険にさらされるようなことが、日常におこっていないか?の話を聞きたいのです。危険だと思うことをあげてください」

というので、片っ端からあげてゆきました。

あげたものの例

  1. 工事現場が大好きではしごが好きなので、工事現場をみると入っていって、はしごに登ろうとする。
  2. 水で遊んで服が水浸しになるので、服を脱ぎ裸になる。
  3. 水を大量に撒いて隣の家まで水浸しにする。

などをあげていきましたが。この3つのうちで、ひとつだけ、渡の安全と関係ないものがあると指摘されました。

それは、3番。2番ではない。というのは、2番は、服を脱いで、外にでて徘徊してしまって、そこに男のコ専門の痴漢がいれば、渡は危険にさらされるし、その裸のままで、女性にちかよれば、渡は女性から、正当防衛として危害を加えられるからです。

3番は、安全とは関係ないそうです。それは、濡れたのは、隣の家なので、また違う福祉のサービスをくれるところに相談だそうです。

意外だったのは、夕方からのバンドのコンサート演奏に行く前に、たった10分間だけ、このミーテイングに加わった香穂の報告が、あっさり通りました。

「美女をみたら、近寄って行って、ナンパする」

というのは、渡の安全を守るためのひとつに入ることだそうです。香穂すごい!これが渡の安全にかかわることだって、よくわかったなぁ・・・。なにが危ないのか?というと、

カップルで歩いている女性をナンパしたり、声をかけたりすると渡の体が大きくなるにつれ、パートナーの男性が、

「俺の女になにするんだ!」

と喧嘩になるケースは、とても多いからだそうです。香穂いわく、

「そうなんだよ。そんな話は、いっぱいあるから」

と言ってました。ふ~~ん・・・。かといって、女性と誰とも話さないのもヘンですので、話すためのルールを教える必要があるわけですね。安全のことに関してはこの程度でした。

あとは、最近やからした、渡のわるさや困ったことを安全とは別に報告しておしまい。

係りの人に言われたのは、

「とにかく、困ったことがあったら、困ったことが起こった日にちと時間は、記録しておいてください」

ということでした。たしかに<以前にこんなことがあった・・>だけでは、5年前かもしれないし、いつかわからないし、信憑性にもかけます。

困ったことが起きたときの日時の記録は、福祉関係のサービスを貰うときは、必須です。