自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

香穂の悲しい日

香穂が意気消沈で帰ってきた。なにかというと、音楽のスティーブ先生が、学校をやめるという。彼は、

「僕は、ADDです」

と初日にみんなに、カミングアウトしてくれた先生です。生徒と先生が、一丸となって、やっていた、音楽のクラス。この先生がいるから、香穂は、高校がおもしろいといい放った先生です。クラスのコは、涙ぐむコもいれば、

「なんで~!」

と言うコもいたそうです。ステーブ先生が話し出すと生徒はみんな静かに聞くそうです。生徒から、絶大な信用を得ている彼は、もともとはオペラをしたかったそうで、自身が結婚していて、子供がいない今が最後のチャンスだというので、オペラの道に進むそうです。ニューヨークのプロの試験に合格したそうです。

先生いわく、

「9月に新しい先生が来ると思う。来年、君たちが、音楽のクラスを途中でやめることもあると思うけど、その理由が、{音楽の先生が、スティーブでないから}という理由でやめる生徒がいたら、僕は、そのコを、攻めます」

と言ったそうだ。すごい、スティーブ。

私も長く、香穂の親をやっていますが、たしかにスティーブ先生のように、子供の気持ちをわかって、音楽を楽しく、そして厳しく、教えてくれた人はいなかったものね。

生徒と、先生の絆がとても強かっただけに、私も涙ぐみそうになりました。スティーブ先生。私たちは、先生が、舞台に立つときは、見に行くからね。