自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

好きなことを武器にするということ

最近インターンのお仕事のデータ入力が絶好調に調子がいい渡。どんどんとデータ入力をしております。これは、彼が高校の時からなりたくてしょうがなかった「会計アシスタント」の仕事になるのですが、ある一箇所で蹴つまずいた...。

数値というのは、たいていの場合、規則性に基づいて進むのだけど、それを掴むのが大好きなのに、ふとした瞬間にどうしてもわかりにくい規則性がでてきた。まー誰でもドリルをすると、わからない問題にぶちあたると、どうしようか?となるわけで。

渡の場合、こうなると「わからない」ということに対して、すごく小さいですが、パニックを起こします。

私が一生懸命説明しても軽、パニックになっているので、まず、聞く耳を持たない。

そうかー、しょうがないなぁ。しばらくおさまるまで待つか...と思っていたのですが、そこへお姉ちゃんと開発リーダー登場。

2人でこそこそと何か話してる。ようするに、気持ちが落ち着くまで、10分とか待つ時間が面倒でよろしくないということ。実社会にでたら、気分のらないので、10分待ってくださいんてなかなかできない。ということを話しておりました。

いやー。待ってあげなよ。と思うのだけど、渡は口頭でお話ができない分、早くて正確、正直。を売りにするしかないので、その中のひとつ、早いがなくなるとイマイチよくないということ。今は学生生活をしながらのインターンですが、学生生活がなくなったら、誰よりも早くやる気をだして仕事しないといけないわけで。

たしかに...そんな渡が売り部分が少なくなるのはよろしくない。

その二人がこそこそと話し始めたのはすごい計画だった。

渡は誰よりもディズニーランドのお姫様が大好きでそれがモチベーションです。

なので、ディズニープリンセスというemailのアカウントをとり、渡を褒めるメールを書いてあげるということ。すごい。

開発リーダーがお姫様っぽいEmailアドレスをとって、香穂が励ましのメールを渡に書いています。「夏休みに会おうね。」などどいろいろ書かれている。

あっという間にアカウントもできあがり、メールをもらってそれを読んだ渡は正気にもどった。

いやーどちらかといえば、メールが夢物語で、できないほうが正気の世界なんだけど、夢の世界のほうが過ごしやすいんだろうなぁ。見ていると私よりも遥かにうまく夢の世界と現実を行き来しているようにも見える。

メールをお姉ちゃんに自慢して、冷静になって一気にわからない部分をお姉ちゃんに聞く態度になりました。聞く気になってくれれば、簡単なことですので、一気に理解。あっと言う間に仕事に戻ります。その間1分。今後はメールのアカウントがあるので、気分にムラができても数十秒で正気にもどって仕事に戻れることでしょう。

もともと数字は、好きだし、さらにお姫様は大好きなので、この好きな2つをうまくコラボさせたら、生産性があがって仕事できるわけですね。

自閉症の人や、障害のある人の仕事の訓練があまりに偏り過ぎている気がする今日このごろ。

渡だって好きなことをして、好きな仕事に就きたいと思っております。もっと就きたい仕事はどういうものか?やりたい仕事がどういうものか?どんどんと考えてその練習ができる場所が世界に触れてきたらなーと思います。

やっぱり人間の成長って好きを武器にすると強いなーと思いつつ見ておりました。

よかったねぇ。