自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

バイリンガルになるためのモチベーションとは?バイリンガルになる意味。

うちの香穂は、バイリンガルです。普通に日本の小説も読みますし、英語はカリフォルニア訛りのネーティブイングリッシュです。英語の発音も音声だけ聞けば、誰も日本人だと当てることができないと思う。顔をみると日本の血がはいってるんだろうな?とわかります。

日本語は漫画が大好きなので漫画を車の中で音読させていました。音読するのなら、漫画を買ってもらえるという条件です。イントネーションがちがうと日本語は笑われるため、そうしてました。自閉症の渡がいるので、机に座って、教えるなんていうことは不可能だったからです。なので車を運転してると音読しているむすめの、後ろから、「どすっ。うぐぐぐぐ。。。」とか声がきこえる感じでした。

彼女が日本に行った経験は人生のうち1ヶ月ほど。けど、親が日本語を話せば、子供も日本語を話せるようになると思うのは大間違いです。

成人の方が、自分の胸に手を当てて考えればわかる話ですが、思春期の時期に母親と死ぬほどいろいろなディスカッションを毎日して、なんでも話す親子ってどれくらいいるでしょう??ということです。話す機会がなければ、言語は伸びません。

親と話すだけでは、子供の言語は伸びませんし、子供は子供の事情があって、親の言語を話さなくなります。子供の事情ってことを不思議だなーと思って、私は親が日本人の子で日本語を話さなくなった子供たちになぜ、話さなくなったのか?を聞いて回りました。聞いた総数100名くらいのアメリカ育ちの学生。ここで判明したこと。

彼ら、彼女らの日本語を話さなくなる理由のトップ5。

1.日本人は、ちょっとでもおかしな発音やイントネーションをしてしまうと全力で笑う。笑われるくらいなら、日本の人たちが褒める英語を話したほうがよくね??

2.家族で日本語を教えてくれるのが母親の場合、男の子は、オネエ言葉の日本語になる。このことは、男性言語と女性言語がある日本語の性別の逆転は、致命的に恥かしい。

3.日本語の習得を外国でするのは非常に骨が折れる作業で大変。けど、親が日本人だと、日本語ができたところで、周りは当たり前としか思わない。なら、もうやらないでいいじゃん。いくらがんばっても当たり前なんでしょう?

4.与えられる日本語の教材が半端なく面白くない。

5.教科書で学ぶ日本語と、友達と話す言葉とはまったく違うので、教科書の日本語で友達に話すと笑われるので、なら、日本語で話さない方がいい。

などが多い理由でした。

では、そんな中でも日本語の勉強を続けて、日本語を習得した学生の子達の意見。

なぜあなたは日本語を学び続けたのですか?

1.おじいちゃん、おばあちゃんと話したかった。

2.日本の最新のゲームがしたかった&最新の漫画が読めるから。(日本の漫画が英語に訳されるのは、どんなに早くても半年後)

3.日本語できたら、稼げるから。(英検1級とか、外国で行われる日本語教員試験などを受けて資格を取ると普通の仕事してても給料高くなるし高校から仕事がすでにある。)

4.困っている人に通訳してあげれる。

5.いままで補習校に通っていたのに、いまここでやめたら、それが全て無駄になるのが嫌だった。なので、やめずに日本語を勉強して補習校に通った。

というのが、多い意見でした。バイリンガルを育てるテクニックなどを語る前に、学ぶ側のモチベーションを明確にしてあげると、学びやすい日本語というのが感想でした。