自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

すごい言語療法

渡が公民権運動を理解した!!

渡の言語療法療法の時間。公民運動家シーザー・チャベスのレポートをプレゼンテーションしておりました。先日訪れた

César E. Chávez National Monument

シーザー・チャベス記念館ですね。

その訪問記のプレゼンテーションを言語療法(スピーチセラピー)の時間にしました。日本では、あまり有名ではありませんが、アメリカでは彼の誕生日は、メモリアルデーとして学校等がお休みになります。渡の学校もお休みです。

彼は何をしたか?というと、労働活動家で公民権運動を行って、初めて農場労働者たちの組合を結成し、ストライキなどもおこして、これらの運動から賃金等の交渉を行うことが認められ、彼らの賃金・労働条件は一気にあがりました。

当時の農業従事者の劣悪な環境はスタインベックの「怒りの葡萄」にも記されているように、雇用者側の言い値で働かざるを得なかったというのがわかります。


さて、この記念館はどこにあるの?と聞かれて、答えられない渡。Google mapで調べて答えていたけど、次は公民権運動の理解が難しい。目に見えない政治や、民権運動などというのは、渡が一番理解するのが難しい部分です。なので、このプレゼンをやっているのですが.....。渡のプレゼンをひとしきり褒めた先生。その後、突然、先生がお教室の廊下や部屋に大量のおもちゃのプラステックの野菜をぶちまけた。スピーチ療法の場所なので、子供達にトマトやキュウリの名前を教えるために野菜は一通りあります。

すべて拾ってごらん。

と。渡は大きな体を小さくして、ひさまずきながら、必死でぶちまけられた野菜を拾います。最初は楽しそうに拾っていたけど、先生がだんだん厳しくなってくる。拾っている渡に先生は、「お給料は少ししか上げれないけど、この仕事はどう?日が沈むまでやるわよ。」と。渡は、だんだん悲しい顔になってきて、

この仕事は、ハードだ苦手だ。

と言う。すごい!理解し始めた。次に肩に後ろから先生のカバンにいれた大量の書類を肩に背負わされました。

このカバンの中は、全部野菜とポテト等よ。歩いて!!!どんどん、歩いて。ゆっくりしない!

と厳しい言葉を言われて、廊下を右に左にと歩きます。

しんどくなってきた渡。渡は汗をかくとすぐに顔を洗わないと気がすみません。

顔を洗うのは禁止。トイレにいくのもダメよ。

悲しそうな顔の渡。

さて、席につき。「お給料はそんなに上げれないわ。」に、涙目。

渡、この仕事どうだった?

辛い。

そりゃー辛いだろう...。

でしょう?シーザーチャベスはね、この人たちの働く環境を良くしたの。お手洗いも行けるようにして、お金もいっぱいもらえるようにして。荷物も一度にいっぱい運ばない。それだとどうかな?

これで初めて選択肢ができます。

それだといい。

そうだ、その通り。

理解したかも!話せない渡が突然タイプし始めた言葉は、

"Thank you very much to Cesar Chavez."

やった!理解した!!

先生もおっしゃっておられましたが、

自閉症の子供は体験をさせることで知識と初めて繋がることが多いので、このように擬似体験でもさせることが大事です。ビデオを延々と見ても情報としては頭に入るけど、その行動の持つ意味がわかりません。

今日は渡が理解してくれて良かったわ。

すごーーー。

渡は帰りの車の中では達成感があったらしく、

僕は、一生懸命働くんだ。でも、おかしい時はおかしいって言う。

いやー学んだねー。今、働いている人たちでも明らかにおかしい労働環境で働いていても言えるひとは少なくないと思います。深夜まで好きでもない意味のない作業のために、無料で残業させられたりとか。そのことに気がついた渡はすごいわ。

連れて行ってよかった、

César E. Chávez National Monument

でした。