自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

メキシコのお母さんがすごすぎる件

会社で遅くまで仕事していると、メキシコ系の掃除のおばちゃんが来てくれます。いつも明るくて、綺麗にしてくれて、わたしも少しでもお手伝いしようとゴミをまとめておいたりすると、

ありがとう!

けど、いいのよ!そんなことしてくれなくても。本当にありがとうね!!

と明るく笑顔で答えてくれます。いつもテキパキとすごい勢いで働きます。

先日、このおばちゃんが、高校生の息子さんを連れてきました。ガタイもすごくよくて、もうマッチョ。顔には幼さが残りますが、身長190cm近い感じ。完全逆三角形の体ですね。おばちゃんは、アメリカでは小柄で155cmくらいなので、息子さんと並ぶとスゴーーく小さく見える。

ところがこの息子さんとおばちゃん、来た時から口喧嘩しています。私たちの会社の外で喧嘩してるので、よく聞こえず最初は、

「あれ?喧嘩かな?」

程度だったのが、どんどん声のボリュームが大きくなってきて、息子さんがもう怒鳴っている。開発リーダにも声をかけて、

どうしよう?ちょっと声かけしてみようか?

と言ったのですが、リーダーは、

やめた方がいいです。彼はガタイいいですし、感情的になってるので、ゆみさんが割って入ったりして、カッとされてしまったら、もうひとたまりもないですよ。

たしかに...。だけど、おばちゃんもすごくて、息子さんと同じ勢いで言い返している。日本だったら、お母さんが「静かにしなさい。ここは公共の場です」と言うところですが、お母さんも同じレベルで、真剣にまくし立てています。困ったことは、この喧嘩がスペイン語で行われていることです。英語か日本語でやってくれたら、まだどれくらいの程度の喧嘩か?が、わかりますが、スペイン語だともう全くわからない。喧嘩を止めてはいけないのだったら、

すみません。英語か日本語で喧嘩してください。

と言いに行こうか?と思ったくらいすごい喧嘩になってきました。

通報した方がいいかなぁ.....。

と思ったほど。

日本人が海外で、夫婦喧嘩すると通報される確率があがるというのを聞いたことがありますが、それを体験した感じ。どのくらいの喧嘩か、わからないわけですね。特に銃を持つことが許可されているこの国では怖いですよね。たしかに喧嘩の時の言葉がわからないというのは、怖いわ....。そう思っているうちに、もう喧嘩の言い合いは1秒の隙も与えないくらいの大声の言い争いになって、声のボリュームも最大か?と思われた。

いやーこれはダメだ、とりあえず、会社の扉を開けたら、私たちが気がついていることはわかるので、少しは我に返ってくれるかもと思い、扉を開けようと、会社の扉の内側のノブに手をかけた瞬間、大きな大きな男性の泣き声が聞こえてきた....。えっ?泣くのは、おばちゃんじゃないの?えっ?190cmのガタイのいいマッチョがこんなに大声で泣いちゃいの?えっ?小さい子供みたい.....。そうするとお母さんのソフトな声で、

「しーっ。静かにしなさい。」

という声が聞こえてきた。

いや、あの、その言葉、喧嘩が始まった時に言えばよかったのでは?男性はワンワン泣いて、それから泣き声を抑えているのですが、そうなるとまたなんだか余計かわいそうな声になってきて、本当に3歳児が「ママァァァ...」と泣いているようになってしまった。

メキシコのおかーちゃん、強すぎ....。