自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症と言っただけで、見事な対応をした帽子屋さん

きのうの続きです。娘から、

「ショートにした髪の毛だと1920年代のフラッパーのスタイルがいい。」

と言われて、帽子を買いに来ました。前前から、いろいろ揃えががいいとは噂では聞いていた近くのお店に行ってきました。

Black Cat Hats & Bags

59 N Santa Cruz Ave

Los Gatos, CA 95030

http://blackcathats.com/

実は、私は頭が大きく、帽子が似合わない。頭が大きくて困った過去の苦い経験は、 高校の時に某チェーン店のハンバーガー屋さんのバイトの面接で、帽子が入らないという理由で断られた事があります。

娘曰く、

フラッパー帽は、かぶるのではなく、後ろに止める感じなので、頭が大きい方がいいかもよ。

さて入店。

たしかにすごく揃えがいいのですが、2月中旬に閉店するらしく、全品20%オフです。人も結構居ます。娘は、帽子をみるなり、

えっーすご!!このお店!! Stetson(ステットソン)の帽子をここまで揃えてる!!

何何それ?と思ったら、説明してくれました。

1860年代に設立された会社で、カーボーイハットで有名。すごくしっかりしていて、デザインがいいし、品質も最高。他にもいろいろ帽子を作ってるけど、私達は舞台やってたからさー。カーボーイの歴史もやるし、衣装もやるから、こういのも習うんだけどさ。ここのは、舞台でもつかってたけど、本当にすごいよ。

いろいろ見てると、店員さんが

「なにか御探しですか?」というので、

「フラッパー帽。」

というとすぐにたくさんの帽子を出して来てくれました。

いろいろ帽子の歴史などを興奮気味の娘と話しながら、私の帽子が決まり。

さらに渡がほしがっていたNewsboy Hat(ニューズボーイ帽子)が見つかった。これは大恐慌時代、少年や子供達がニューズボーイハットをかぶって新聞を売っていたものです。

香穂は興奮して、

渡をつれて来よう!

となりました。けど、香穂がこれだけ興奮してるのだから、帽子を探し続けていて、気に入ったのは見つかっていない渡は、ここに来るとさらに興奮する事は明らか。店長さんに質問です。

すみません。空いてる時間は何時頃ですか?

と聞くと、店長さん、ちょっと不思議そうな顔をしたので、すぐに娘が

弟が自閉症なんですけど、欲しい帽子があって...。

というと急に顔が華やかな笑顔になって、

じゃ、刺激が駄目でしょう?他のお客さんがいたら、彼は、ゆっくり見れないわよね。

午前はだいたい空いているけど、うちのお店は10時にあくの。朝9時45分に来てくれたら、私は必ずお店にいるわ。なので、横の窓をノックして頂戴。お店を開けるから。それだと家族みんなでゆっくり見れるわ。

それか、この名刺の番号に都合のいい時間を電話して頂戴。彼のためにお店を開けるから。もし、他に人がいても気にならないんだったら、やっぱりねぇ、午前が空いているわ。2月中旬には、お店はしめちゃうから、ちょっと最近は午後は、すごい人なんだけど。

本当に彼が都合のいい時間いつでも来てね!!まっているわ!

感動....。車いすの人が

「2階に行きたいんですが。」と店員さんに言った時に、店員さんが階段を指し示す人がおらず、多くの人はエレベーターの場所を教えてくれます。

自閉症なんですが」

と言ったら、いつお店の人が

「音とか刺激や人ごみが駄目ね。」

という社会がくるんだろう?100年後か?

と思っていましたが、そういう事が本当に起こった。

私が感動していると、娘が「なんで詳しいの?」と質問。店長さんは、

自閉症の方は、お客さんにもいるし、多いじゃない?

と彼女にとっては、どうも普通の事で私達が驚いてる事のほうに驚いている。

感動の帽子屋さん。

どうぞシリコンバレーの皆さんも、のぞいてみてくださいませ。いろいろ歴史もわかるし面白いお店です。