自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

アメリカの芸術系大学の期末試験

娘の学期末試験。ひとつの科目について、話を聞きました。

まず、3日ほどでストーリーを20個考えて、絵コンテ(漫画のコマになっているもの。8コマ漫画に近い)を描いて先生にみせる。ひとつのストーリーに6個~8個くらいの絵を書く訳で、120個以上の絵を数日で描いている。けど、絵はみんな思いつけば描けるみたいだけど、ストーリー作りは苦戦。

香穂はストーリー作りは好きなので、電車の中で、できたようだ。つくった20個のストーリーの中からどれを期末試験に使うか?を先生と話し合う。なので、このストーリー作りがしっかりしていなければ、期末試験が受けれなくなってしまう上に、ストーリが早く決まらなければ、提出期限があるのでどんどん作品にかける時間が減ってくるというもの。TVクイズ番組「タイムショック」みたいだ。

この先生最初に「僕の授業でAはとれないよ」と公言するだけあって、厳しい。

けど、結局3人が20個のストーリーを作成してきた。まじめな香穂も20個つくったうちのひとり。先生曰く、

「えっ..? 3人も作って来ちゃったの?20っていったのは、誰も作れないから、Aをださない最初の理由になるとおもったんだけどな..。」

と言うのだけど、その言い方がすごく純粋で結構生徒からは、信頼されている教授らしい。香穂も「しっかり教えてくれるから、これくらい厳しい方がいい」らしい。

各自がすごく丁寧に20個のストーリーと絵を先生とみんなでみてもらって、少しでも矛盾点などがあるとどんどん突かれる感じだそうです。みんな自分がみてもらう順番がくると顔色が青いそうだ。

香穂のストーリをいろいろ聞かせてもらったら、どれもよくできているのだけど、先生からは、どんどん矛盾点や、少しでも表現できていない部分があれば、がっつりと言われたそうだ。

結局、彼女の期末試験は日本の妖怪と子供が出てくるものに決定。なので、今日は帰って来てから、まー妖怪のことを調べる調べる。朝から妖怪の話ばかりで、ご飯食べてても妖怪。車運転してても妖怪。私がシャワーあびててもバスルームまでやってきて、「あのさぁ、岡山の妖怪でさぁ…」などと話しかけられる。すごいな。この集中力がないと続かない世界なんだろうなー。これから5週間、この妖怪話が我が家で繰り広げられるんだろうな。これだけ妖怪の話をきいた私は、数回は夢に出そうだ。でてくるのならなるべく可愛いのがいいなぁ..

こんな大学なので、

「昼休みはみんないろいろ課題について話し合うの?」

と聞いたら、

「いやー7割はパンを左手も持ちながら、絵を描いてるんだよね。絵に集中してるから、自分で何を食べてるかわかってる?と、聞きたくなるくらい絵を描いてる。期末試験の時期に入ったので、これから学期が終わるまでの5週間は、みんな休み時間も必死さ。」

厳しすぎる..。