自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

ドーナツの割り算

うちの会社は土曜日は若い人が来るので、ドーナツがある。甘いものが好きなリーダーが若い人の為に買ってくるのである。夜、開発リーダーと私が残業していて、遅くなったし、帰るかねぇ。と思ったら、机の上にドーナツの箱のふたがしめられて置いてあった。

そのときの会話。

開発:ドーナツ余ってますよ。

私:えっ?何個あるの?

開発:2個です。

私はここで1個1個を袋に入れるために、棚に向いジプロックを取りに行こうとした。

開発:このまま持って帰ったらいいじゃないですか?

私:えっ?けど分けないと。

開発:2つをどうやってわけるんですか?

私:1個づつ。

開発:意味があるんですか?

私:だって2つにわけないと、リーダーの分が...

どうも会話が噛み合ない。

おかしいと思って、よーーく聞いてみると開発の言い分は、こう。

ドーナツは自分が見たときに箱に4個残っていた。現在残業しているのは2人。

4個÷2人=2個

なので、1人2つ。だからすでに自分は2つジプロックにいれて、鞄の中に持っている。

ということらしい。私とちがう。

私がもし先に4個残っているのに気がついたら、まずは甘いものが好きな開発リーダーに相談。

ねぇねぇ、何個いる?私は1つくらいかなあ。3つ食べれる?

と相手のお腹空き具合とか、甘いもの好き度とか、そういうのが気になるのです。

なので、すぐに平等に割った開発リーダーのことを聞いて、「えっーー。」と、驚く。

そーいえば、確かに私は甘いものを大量に食べれないのに、いつまでも羊羹が残っているときがある。これは私が

私の羊羹を食べれば?」

と声をかけないと、頂いた時点で、すでに割り算をしている開発にとっては、私の分は私のもので、それは残そうが、なにをしようが私の個人の勝手なのでした…。

へーーーー。

生存競争が激しかった私の小さいときは、我が家は早いもの勝ちだったんですが...。

リーダーは、甘いもの好きなんだから食べればいいじゃん。

と言ったのだけど、

いえ、平等に割らないといけませんし、くださった方の気持ちもありますし。

真面目なリーダー。

私は少し胸が痛んだ。実は、ワインなどを頂いたときは、フルに早い者勝ちの掟を用いて、絶対に平等に割らない私。

リーダーは食べるのや飲むのが遅い(というより、私が早すぎ)&大量に飲めないので、こっそりとリーダーが気がつかないように多く飲むか、すごいときは瓶ごと持って帰るのである。

開発リーダーはそのことを初めて知り、

えっ?と言った顔をしたので、窮地に追い込まれた私。しょうがないので、

だって、ワインは1本750mlなので、3桁の割り算はすぐにできないじゃん。

と言ってしまった。さらに驚くリーダー。ごめんよ。リーダー。今度からとりあえずは割り算してみるね。けど、やっぱりワインは割り算はしないからね。