自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自宅のお風呂が修理中で思い出した祖母の大事な教え

自宅のお風呂が工事で、お風呂に入れません。自閉症の渡はお風呂が大好きで、毎日湯船に入る事に固執しています。お友達がそのことを知っているので、貰い湯をさせてくれました。

「水回りの工事してたら、台所も立てないでしょう。」と、ご飯まで用意して下さった。今夜は、とても寒かったので、本当にありがたかった。暖かいお風呂に入っていると昭和の田舎に居る感じがしました。

そんな時にふと思い出した祖母の事。私は祖母をすごく尊敬しているのだけど、彼女は8歳から学校に行っていない。農家に生まれた彼女は、8歳になるとしっかりとした働き手として数えられて、真夜中、彼女は畑の近くの小屋に一人で番をする。何の番をするのか?というと真夜中に畑を荒らすイノシシを物音をたてて追い払うのです。畑の作物を食べられるというのは、農家にとっては一大事。怖いなんて言ってられなかったといってました。

真夜中起きていた彼女が昼間に学校に行ける訳はなく、朝は眠くて、眠くて。という話をしておりました。それでも彼女は時間をみつけて独学で読み書きしていたそうだ。私が遊びに行っても誰かが置いて行った本も良く読んでいた。祖母の家の近所には、よく似た事情で学校に行けず、読み書き出来ないまま老後を迎えてしまった方達も居た。そんな方達の年金の書類なども全て読んであげていた。

そんな彼女が、おてんばで遊んでばかりいる私に教えてくれた事があります。私の母親は毎日のように宿題しろ!と言うのだけど、私は遊びたいので、どこ吹く風だった。そんな私に祖母は

ゆみちゃん、勉強しなさいね。土地やお金はいくら持っていても、取られたり、使ってしまったらなくなったりする。けど、頭に入れた知識は誰も取れないし、いくら使っても無くならないからね。

すごく説得力のある言葉で、この年になっても覚えています。

結局彼女は8歳から90歳くらいまで畑で立つ事になったけど、死期が近づくと彼女は地元の介護施設に入った。

そこから実家に手紙が来た。その内容は

「ゆみちゃんが使った中学の英語の教科書が家にないか?勉強するから、送ってくれ。」

だった。

施設で働くスタッフの皆さん全員にお手製のはんてんを縫い、みんなに泣かれながら旅立った祖母。

農家でいっさい無駄遣いもできす、少づつお金をためて、私には、いい生地ではんてんを縫ってくれた祖母。

最期にぬってもらったはんてんはこれ。

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生地のデザインは、みるからに田舎臭いのだけど、たぶん、こういう柄だとセールで安くなるのだろう。だけど、生地と中の綿は、本当にとびきりいいもので作ってくれているので、今だに綺麗に使えています。私の大好きなものの一つです。アメリカでクリーニングにも出して大事に着る私。丈も長めなので、着た瞬間から体はぽかぽかです。祖母もまさか自分のはんてんがアメリカに行くとは思っていなかったと思う。これ着て本を読んだりすると普通よりも頭に入る気がする。今日みたいに寒くても、心も身体も暖まり、ありがたい日に思い出した祖母の話でした。