自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症児と大学

渡の大学のプログラムが進んできたけど、問題が出てきました。一番安心していた「障がい者の為の大学のオンラインなどのベーシックを学ぶ」

というのがあるのですが、このクラスは私はノーマークでした。大学で生き残るための説明というかフォローのクラスだからです。

ノーマークというのは、担当の先生と話さなくても大丈夫だろうと。大学での障がい者というと、発達障害をもつ生徒が一番多い訳で、さらに自閉症というとLDやADDよりも大学内では問題が多いので、この科目の先生が誰よりも大学では自閉に慣れているだろうと踏んでいたからです。大学はほとんどの大学でDESP(The Disability and Educational Support Program)というのがあります。名前は各大学で違いますので、興味のある方は、各大学のサイトから調べると解ります。ここではノートを取ってくれたり、いろいろなサービスがあります。ここにも聞いてみると

「そのクラスは、宿題もないし楽。」

と言われたので、うのみにしておりました。

さて初日。いつもは帰りは、バスなどで帰ってくることもできますが、我が家は、バス停から自宅が非常に遠いので、障がいのある人のタクシーを使うことをお願いしています。初日は、説明などだけで終わるクラスもあるため、この車の手配の時間がとても難しいので、障がい者専門のタクシーは使わず私が学校にでむくことにしました。説明だけで終わると5分で終わるので、授業が始まる時間に到着。廊下で待っていようと思っておりました。

そのクラスはなんとガラス張りのクラスで、教室の中には、27インチのiMacがあります。いつもは、13インチの小さいノートで画面を見ている渡。よかったねぇ。と思っていたのもつかの間。

27 インチに興奮した渡は、授業を忘れた模様。さらに先生が教室にはいったとたん、学生の一人一人と話をし始めたので、はなしかけられない渡は、何をすればいいのか解らない。なにもすることがない訳で。注意事項もなにも言われてないので、27インチをみたら、一番好きなことをするのです。なにをしたか?というと、youtubeをつけて、大爆音で機関車トーマスを見始めた。するといままで豆つぶだったトーマスが、ほーら、大きなトーマス。すっげぇぇ!!っていう感じです。

そりゃ、マックだけ渡されて、先生がすぐに一人一人の学生と話し始めると、渡も誰が先生なのか?このクラスは授業なのか?の認識ができない訳で。

あっちゃーと外からみていて思ったのですが、驚く事にこの障がいのある人が大学のカリキュラムを学ぶベーシックなクラスの先生はまったく無視。いやぁ、先生なんだから、注意しようよと思うのですが。

そんなこんなで授業がおわったので、この先生と話しました。先生は私に

「今度騒いだらやめてもらいますから。」

と、突然の解雇宣告。

いやーそれはフェアじゃない。注意されなかった渡は、なにがいけないのかわからないだろう。ちゃんと向き合って話そうよ。あなた障がい者の先生じゃないの?

それが仕事の一つでしょう?と思う私。

先生には、

「彼は注意すれば解るので、注意していただけますか?」

と言ったのですが

「授業を静かに聞くのはあたりまえだから、いちいちそんなことはしない。」

とのこと。えっー他の普通のクラスの先生は、ひそひそと学生が話してたらもちろん注意してるよぉ。

本当にあんた障がいのクラスの先生なのか?当たり前っていうことは、健常の人たちの当たり前な訳で。それがわからないから、だからこのクラスがあるじゃないの?と思う私。

なので、帰ってきてから、渡とじっくりと絵を書きながら話し合いました。彼は、

「今日のベーシックスキルのクラスなんだけどさぁ。」と言ったとたん、

"I'm sorry, Mom."

とすぐに自分のとった行動はあまりよくなかったことを認識しています。

ほらぁ、ちょっと注意してくれれば、すぐにやめることじゃん。

数日後の次の時間は渡はノイズも立てず。がんばって授業をうけてました。

やっぱり。どうしてこのたった3秒で済む一言の注意をこの先生がしないのか謎。

この話を会社に帰ってきて理系の人の開発リーダーにすると、

「そりゃ、僕だって、突然27インチのマックを見せられたら、iPadのInterface builderを全画面表示させたりしますよね。」

とのこと。

他の理系の方にも聞いてみると

「あっ、僕は、Xcodeで、全部を1つの画面に表示できるかな?って一番にやってみますよねぇ。」

理系からみると渡の行動は至極普通らしい。

障がいのあるクラスの先生が一番障がいを理解していない気がしてがっくりの日でした。まーいい先生ばかりに当たらないのが大学生活なので、サバイバルしていただきましょう!がんばれ渡!