自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

秀才の作り方

4月から日本では新学期が始まり、5月の連休に突入です。この1ヶ月で、子供さんは相当学校になれたでしょうか? 私の場合、5月病というのがあるかのように5月になると、なんとなく、毎年つまづいていて、(というより、遊び心が頭をもたげ)ここまで来た気がします。じゃ、つまづいていない人たちはいったいどうしていたのか?生まれもった頭脳が明晰でなにも勉強せずにうまく行った訳ではないと思うのだけど、いつも不思議。どうして持続して勉強ができたのか?と思います。

私の周りには、日本ですごく勉強ができて、アメリカで学位をとった人が結構います。

なので、2人の超優秀者たちに「どうやって勉強したのか? なぜ持続して勉強したのか?」を聞いてみました。

一人は、日本の超難関国立大学を経てスタンフォードMBAをとった女性の方。

もう一人は日本の私立大学をでて、スタンフォード修士号をとり、最終的には博士号を取得したうちの開発リーダーです。

彼らにはわりと勉強に対して、すごーーくがんばったという意識より、自己認識と親の罠にはまった(笑)というのがあるようです。彼らの話を聞いていて、どうも勉強の成功には、7個の条件があるようです。

1. 子供に月極の多くのお小遣いは与えてない

2. 勉強はお金にかえるべし

3. モチベーションを持たせるべし

4. 得意な事を知るべし

5. コンプレックスは最大の友

6. 自立を解くべし

7. 親がルール破りをしない。

子供に月極の多くのお小遣いは与えない

月極のお小遣いを与える親は多いですが、これは、多くの親が「金銭感覚をつける」とか、「きちんとお小遣帳をつける」「友達とのおつきあいでお金もいるから」などの約束であげる人が多いと思います。けど、8歳から月々のお小遣いをもらってそれを10年間もきっちりお小遣い帳につける人はどれくらいか?を考えれば、これは結構ハードルの高いゴールです。月極のお小遣いをあげてはいけない理由は「時間が立てば、何もしなくても必ずお金が入ってくる事」です。例えば、テストで、100点をとっても60点をとってもお金は入ってくる。友達と不合理な取っ組み合いのけんかをしても毎月お金は入ってくる。もちろん、それこそ、

「ぼーっと時間をすごして、なにもしなくても時間が立てばお金が手に入る。」こういうことを小さいときから刷り込むことになってしまいます。そうなると、

「お金って何もしなくても時間が立てば入るんだよね」っていう構図ができあがってしまうリスクがあります。これは最終的には、

「そんなに必死に働らかなくても、テキトーにさぼっても、むしろ何もしなくても給料日はくるんだよね。」という図式につながってしまうそうです。なので、努力を怠る可能性があるそうです。


2.勉強はお金にかえるべし

ではどうやってお金をもらうか?

それはテストごとに渡すのが一番いい訳で、たとえば、今度の国語で90点以上だったら500円。80点以上だったら、400円。70点だったら、50円。月極のお小遣いをあげる場合、この金額のほうが大きくないと意味がありません。

この差額は大きいので、普通の子供は500円を目指します。さらにゴールが数日の後というのも子供は飽ません。「ようするに、1ヶ月も待たなくても、がんばればいつでも敗者復活ができ、目の前のショートゴールのために何度でもトライできる仕事がある」訳です。

学期末というのは、スパンも長過ぎ。途中でどうしても中だるみしてしまいます。ところがテストはわりとしょっちゅうあるので、いいということ。さらには、子供勉強するのがお仕事な訳で、それをするとお金が確実に入るというのは、小さいときから、

「何もしないでお金をもらえる事はない。」ということも教えられます。

上述の開発リーダーの体験談を紹介しましょう。

僕の場合は、いつもそうやってお金をもらっていましたが、実は、どうしても欲しいものがあって (当時最新のSFC版のStreet Fighter II)、むちゃくちゃがんばったら、すべてのテストの成績がよかった。そういうのが2, 3学期連続して続くと、親が「このルールはやっぱりなし」と言ったんですよね。子供が欲がる物の中には、高価なものもありますから、どうも家計を苦しめたようです。

むちゃくちゃ腹がたったけど、勉強はやめなかった。その頃には、もうすでに解らない事が解って行く楽しみを自分が知ってしまっていたからです。そこまで持っていくのに、お金は有効な手段で、将来も一生懸命働くバネになる可能性がありますね。

ということです。さらに、勉強で点数が悪くても「罰をあたえる」ということはしてはいけないそうです。たとえあば、「ビデオゲームは、点数がわるかったので、なしね」とか、マイナス形式にするとどんなにがんばっても昔の生活が戻るだけで、プラスがない。そうじゃなく、がんばればプラスになって返ってくるというのがモチベーションをあげるときには大事だということです。


3. モチベーションを持たせるべし

これは、1と2とまったく同じです。最初からきれいごとの「勉強したらいい会社に入れる。」とか、「社会的に偉い人になる」とか、「将来困らない」とかそんなに長いスパンを置いてしまっては、それはトライアスロンに出るより辛い事です。そのような辛い大きばゴールを最初に持ってきてしまっては、うまく行きません。モチベーションをあげるためには、まずは短い距離のゴールが一番です。

例えば、プラモデルのペイントのカラーで複数の色が購入できるとか、フィギアをもらえるとか、大好きなレストランに行けるとか、かわいい服を買ってもらえるとか、解りやすやすくその子が一番うれしいものをゴールも持つと勉強と好きな物がつながります、ということです。


4. 得意な事を知るべし

学校というところに所属すると、よくできてほめられることより、平均点より下回ったときや落第点を取った時のほうが大騒ぎになります。そうなると本人も自分が得意な事があって、それを極めるつもりだったのに、対岸の火事だった平均点くらいの教科っていうのが突然自分の家の火事になってしまい、火消し活動に必死になってしまって本来の得意科目や特技も一緒に消えてなくなっていってしまうということです。


5.コンプレックスは最大の友。

これはお二人ともにありました。女性の方は、「自分は背が高すぎたし、かわいくなかったので、モテることはないだろう。なので人よりがんばらないと、食べて行くのもままらないと思った。マジで勉強して自立しないと真剣にヤバい。」と思ったそうです。 

ここで言わせていただきますが、彼女は、すごく綺麗な方で、均整の取れた体を持っている美人です。私は、「本当はモデルをめざしていたんだろうなぁ」と、この話を聞くまで勝手に信じていました。さらに、才女であるがために、親から「モデルは不安定だし、頭もいいんだから勉強の道にいきないさい。」とモデルになるのを止められたんだろうなー。とずっと勝手に思っていたくらい綺麗です。なんでこんな考えになったのか不思議に思う私です。

 

もう一人の開発リーダーもコンプレックスはあったそう。一度に多くのことができず、ペースが遅く幼稚園が大嫌いで、幼稚園で、はやくも落ちこぼれ。(幼稚園で落ちこぼれるってすごすぎる)とにかく訳のわからない踊りや歌いたくない歌をうたったり、同時に2つ, 3つのことをしないといけない幼稚園に行くくらいだったら、家にいて図鑑でも眺めたい。幼稚園のみんなのハイテンションにもついていけなかった。なのでとけ込めず、体調を崩すことが多く、校長室に連れて行かれる事もあったそう。小学校に入学したらしたでみんなのペースはさらに早く、あぁ、これは僕は他の人よりも本当にがんばらないと、たちまち完全な落ちこぼれになる。とにかく複数のことを一気にするのは無理なので、コツコツと隙間の時間をみながらひとつのことをしっかりやっていくと思ったそうです。小学校でよかったことは、時間割がきちんとあり、幼稚園の時のように次は何をするのかわからない。ということがなかったこどだそうです。元来ひとつのことを突き詰めるのが好きだったので、このやり方は自分にあっていたかも。と言っていました。

コツコツやってるうちに博士号か。すごいな。と思ったけど、成功している人たちって案外そうなのかも。なんでもできてしまうと、どこかで人生を嘗めてしまうのかもしれませんね。

6.自立を解くべし

これはお二方とも共通。5に通じますが、コンプレックスがあるがゆえに、誰かが自分を食べさせてくれるということはないと思っていたし、自分の足でしっかり立つがために仕事を持ち、お金をもらって食べて行くという目標を、本当に心から身にしみて感じていたそうです。自分で稼ぎ、自分で食べるという当たり前のことを小さいときからしっかりと感じておくといいそうです。親は、そこを簡単に助けたりしないのが一番のようですね。そうじゃないと大人になっても

「親に言えばすぐにお金がでてくる。」という図式ができあがりそうです。


7.親がルール破りをしない。

子供が困っているときというのは、親は大変辛いです。特にお金で困っているときはどうしても手をだしたくなります。せっかく仲良くなったお友達とお小遣いを持って遊びにいく約束をした、と言うときに我が子の貯金箱が空だったりすると「しょうがないわね」とお金をだしてしまう。子供が困っている所を見るのは、一番辛いものです。けど、これはしてはいけないそう。万が一お金を出しても、絶対に返してもらう。なにがあってもうやむやに葬らない。利子を付けて返してもらうくらいの勢いでいるほうが良さそうです。家族だからとうやむやにすると大人になっても、お金に困れば親にたよればいいという考えた方できてしまうからだそうです。


以上ですが、

私自身を振り返ってみても、「お金に対して厳しく」は、うちの母親もそうだったかも。お商売をしている家に育った母は、典型的な大阪のおばちゃんで結構お金に厳しかったです。今も忘れないのは、会社勤めをしてまだ数ヶ月もなっていない頃の話。土曜日に遅くまで残業した時の事です。私の時代は、当時はコンビニにATMもなく、日曜日は銀行がやっておらず、簡単にお金もおろせませんでした。なので、日曜日のデートは無理だなーと思い、日曜日はデートはキャンセルして家にいると決めた土曜日の夜。母親が、「私が1万円貸してあげるから、行っておいで。」と言ってくれました。厳しい母が優しい事をいってくれたのも嬉しく、貸してもらう事に。日曜日に無事にデートでき、楽しい時間を過ごしたので、月曜日に銀行のATMで1万円をおろして、すぐに母にお金を返しました。そうしたら、母の言った言葉が最高で

「あんたなぁ。1万円借りて1万円そのまま持ってくる人は、この世におらんで。お店を経営してても、店にネズミが出て、お隣さんの飼っている猫を借りてネズミ退治をしてもろたら、鰹節くらいはつけて返すもんや。私はケンタッキーフライドチキンをお腹一杯食べたいんや。」

といわれて、1万円を返金されてしまいました。えっ..。ケンタッキーのバケツサイズって1850円するよ。1万円を1日かりて、利息が1850円??お母さん、それは..。と思ったけど、母の厳しい取り立てと、この世にいないという母の言葉に恐れおののいてしまった私は、次の日にケンタッキーのバケツ(のようなファミリーサイズ)とともに、母に1万円を返したのでした。その頃に働いていた会社の先輩にこの話をしたら、

「ゆみちゃん。それは、消費者金融に借りた方がよかったね。それだったら1万円かりても1日だったら利子は100円だから、土曜日にATMからお金をおろすより、手数料は安いのよ。」

消費者金融の18.5倍の利息を取る母もすごいですが、私はこれは本当に母の愛情だと思いました。日頃お金を貸さない母が、こういう事を言ったのは、本当に後にも先にもこの時だけ。彼女はそろそろ自立しようかという私にお金の厳しさを教えたかったのでしょう。このケンタッキーバケツ事件から、私は人様にお金を簡単に借りようとは思わないし、なにか物をお借りしたら、そのまま返さないという習慣も身に付きました。大阪のおばちゃんはたった1回で一生残る教育を受けさせます。大阪のおばちゃん恐るべしです。

さてさて、上記の中で渡がつかえそうなものは、1.2.3、7番あたりです。まずはひとつづつですね。