自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

Voice4uが1歳のお誕生日を迎えました。

Voice4uが1歳のお誕生日を迎えました。

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Voice4uをリリースしてから、1年です。いろいろな事もありました。私が一番苦手とするハイテク関連のことですから、リリース前は不安もありました。山のように勉強すべきこともありました。けどどうしても、

子どもたちが大人になってもずーっと使えるものがほしい。自閉症の子供が慣れたところで、なくなってしまうものではいけない。

という思いがありました。

渡を育てていて、周りの親御さんが

「不便ですから」

といろいろな製品を開発されるのも見てきました。ところがお子さんが成長すると急に作った親御さんが興味がなくなるのか、その製品はなくなってしまう。他に使っている子供さんが出てきても、なくなってしまうのです。

これは避けないといけない。

と思い、今から使う子どもたちが大人になっても使えるようにと、会社からリリースすることも決めました。

何もかもが、はじめての体験です。できるか?というより、とにかく必死でした。

けど、多くの専門家や親御さんたちが助けてくれて出来上がったVoice4uでした。


大変だったけど、まだまだがんばるぞっ!と思ったのは、初めてVoice4uを手に取ったお母さんたちにお会いした時です。

彼女達は、Voice4uの使い方というより、iPod Touchを初めて触る方ばかりでした。お母さん達にまずは、iPod Touchの使い方の説明からはじめました。それからやっとVoice4uを使っていただくのですが、そのときにお母さんより先に使い方を理解して、お子さんがお母さんに

「クッキー」

ソーダー」

を選択して、お知らせした時です。

お母様たちが涙を流されました。

我が家の渡も一生言葉が話せないかもしれない子供だったので、私もよくお母さん達の気持ちはわかります。

このような家族の子供さんたちが

お話するって楽しいな。便利だな。自分の気持ちって伝えられるんだな。

と思える日がくるまで、まだまだがんばろうと思いました。

この気持ちはずーっと持ち続けて、10年後、20年後に

「あっ、私、小さい時、Voice4uを使ったことあるよ。」とか

Voice4u、使ってるよ。」

という方が出てくれば嬉しいですね。


Voice4u以外にも、視覚支援のレシピダイエット、忘れ物を無くす、など皆さんにお役に立つ情報も発信して行きたいと思います。

これからも皆さん、よろしくお願いします。