自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

渡、はじめてバイトをする

16歳になった渡がバイトをしました。仕事の内容は、箱を運ぶという簡単な単発の仕事。

この仕事をするメンバーに普通学級の渡のお友達の2名の男子生徒がいて、この2人は驚くほど渡を普通に扱ってくれます。

渡はこの2人が大好きです。集合場所で会ったとたん、突然ジーンズの前のポケットに手を入れ、肩をいからした渡。普通の高校生男子のまねです。爆笑していた私たち。



渡は仕事場にいく車の中で男の子達が話していることは、意味がわからないのに、必死でうなずいていたそうだ。話に入ってるつもりらしい・・。けど内容は、わからないはずだ。男の子がよれば、会話の内容は、クラスメートの女子の話。スペシャルクラスにいる渡は、わかるはずもなく・・・。


仕事場につくと、2人の渡の友達の男の子達が、仕事の仕方を指導し、渡なりに手伝っていたそうだ。

一応、香穂に監視役についていってもらったけど、全く必要なかったそうです。彼らの指導がうまい!!



無事に仕事を終えて、迎えの車を待ってる間、男の子達が、iPhoneのアプリのゲームを見ていたそうだ。iPhoneアプリならVoice4uでお得意の渡が友達の間に割って入って一緒に座ったそうだ。普通だったら

"Don't push me!!"(押すなよー!)

って怒られるところを

" You wanna watch?"(見る?)

といって、画面を見せてくれたそうだ。けど、難しいゲームで渡にはわかる訳はなく・・・。

しばらく見てたけど、さずがにわからずに渡は立ちあがったらしいが・・。



車にのせて貰って、私の職場にもどってきた渡。友達も一緒だったので、

「ごめんねー。渡、邪魔だったでしょう?」

と聞くと優しい2人は

"He did a great job."

と言ってくれていました。


友だちが帰り、渡が自宅に向う車の中で、突然、

" A is cool. B is cool, too"(A君はかっこいい。B君もかっこいい。)

と言った渡。

渡の中でCoolは最上級の褒め言葉です。

渡は、私に促されない限り自分の感想を言ったりはしないので、びっくりしてつい日本語で

「へー」

って感動すると渡は怒った顔で

"Yes."

って言いながら「首を縦にふれ」という指導が入りました。

私が認めてないと思って、怒ったらしい。

リクエストどおりにすると、万遍の笑みで笑い返してきました。

よかったね。渡。優しいお友達がいてくれて・・・。