自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

渡、高校生を助ける

先日、ホテルに泊まった時のこと。私達は、日中、プールの横にあるスパにはいっていたのですが、ホテルはほとんど人がいない。

そこへ、どこかの州の野球少年軍団が泊まりにやってきました。

なんだか、初めて飛行機にのって州外に出たんじゃないかな?と思うような素朴な雰囲気が漂うグループでした。心持ち、緊張している感じもします。


どうもその中の一人が、部屋からでてきて、スパの横にあるバスケットボールコートを見に来て、

「よし、ここで、遊べそうだ」

と思って、ホテルの部屋に帰ろうとしました。ところが・・・。

彼はどうも部屋の鍵を持たずに外にでてしまったらしく、オートマティックのドアが閉まってしまい、入れない。建物の周りをまわって、いろいろ、扉をチェックしたみたいですが、どうも開いているところはなく、入れなかったようで、なきそうな声で、私たちのところへやってきました。

蚊の鳴くような声で、

"Could you help me?"とやってきました。

「部屋に入れないので、鍵でホテルの建物の扉を開けてほしい」と言ったようなのですが、あまりに声が小さすぎて聞こえない。

わたるは耳が聞こえすぎる方なので

"It is emergency"(緊急だ!)(←そんなに緊急だとは思えないが。。)

というので、再度その子に話してもらってる間に渡はすでに鍵をもち、扉のほうへ。

男の子もあわてて、渡についてゆきます。渡に扉を開けてもらって、泣きそうだった彼の顔はにっこり。

「ありがとう」と言われています。

渡は部屋までついていってあげようとしますが、

「もういいよ。部屋は大丈夫だよ」

というとうれしそうにプールに帰ってきました。


渡でも役にたったじゃん!と思った日でした。