自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

パニックをおこした渡

さて、帰米です。関西国際空港まで父が送ってくれました。関空→羽田→成田→サンフランシスコが帰路です。

元旦の道路は空いていて、とても快適。空港に到着したら、しなければならないことがあります。

毎度のことですが、座席の最終確認です。3人並んで座らなければ、渡は万が一パニックを起こしたときに大変になります。アメリカでも航空会社に前もって電話して、渡が、障害児で介護が必要なことや、一人で座れないことは、申し出ておりました。SF空港、成田でも再度申し出て、帰りの便では、3人並んで座れるように、コンピューター上で申し送りをしました。ご安心ください。ということでした。関空について、その話をすると、

「なにも申し送りは、入っていません。成田からサンフランシスコのお席は3人バラバラです。」

とのこと。えっ~!合計3回(アメリカでは、2回電話したので、トータル4回)かけたのに、入ってないってどういうこと?

係りの人は

「では、成田にほかの人より早く行って、席を取ってください」とのこと。

だって、成田にいく飛行機って私たちがいまから乗る便しかないわけで・・。早い便に乗せてくれるわけではないそうです。

関空から、羽田は、この飛行機って決められて、これしか乗せてもらえないわけなので、早く成田に行け。というのは、物理的に無理なのでは?」と言ったら、係りの人が、

「そうですねぇ・・」

と平然と言ってのけます。私、イライラ・・・。渡は、東京経由が理解できず。イライラ・・・。待たされるのも理由がわからないので、イライラ・・。

私と係りの人の問答が長びき、渡のイライラは、ついに頂点に。


「ぎゃ~!!!!!」


何百メーター先の人にまで聞こえる声で叫んでしまいました。

周りの人は、小さい子供をつれてるお母さんたちもいらっしゃってて、

「危ないから、離れなさい」

と子供手を引っ張って渡の近くから、遠ざけています。自閉がなにかを知らなければ、私がそのコの親でもそうするだろう。当然の結果です。私は渡に冷静に、

「ねぇ、渡。周りを見渡してごらん。みんな渡を怖がっているよ。」

というと、みわたした渡は、びっくり。みんなこちらをおびえた目で見て、はるかかなたに立っています。もう皆さんに声も聞こえない距離です。渡、頭をかきながら、

"I'm sorry.I'm Sorry."

を繰り返しています。やっと係りの人がやってきて

「もし離れて座わるとどうなりますか?」

と聞くので、私はいま聞こえなかったの?と思ったので、そのまま、

「先ほどのように叫ぶと思います。搭乗してらっしゃる皆さんにご迷惑ですので、どうにかしていただきたいのですが。」

というと、やっと3席並んだ席をくださいました。

いったい何をしているんだか。まだまだ身障者には、優しくない日系航空会社というイメージが私の中で植えついてしまいます。

渡が今日は、パニックを起こしそうだと理解していた香穂は、渡がパニックを起こすまでの間、横でシコシコと絵を描いていて、関空から羽田にいき、そこから、サンフランに行くことを図解してくれました。パニック後の渡を英語でなだめて、図解を説明し、チケツトを手にした私たちは、マクドナルドへ移動です。マックのポテトを食べて、やっと冷静になり、またいちから説明です。やっとものごとを理解した後には、渡には、深い反省がおこり、ずっと香穂と私に謝っています。香穂も

「恥ずかしかったよぉ。」

と渡にいって、HUGして、解決。

もう少し社内での申し送りをしっかりしていただければ、うれしいですね。

身障者の優先搭乗は、とてもよかったのに。

納得した渡は関空→羽田、成田→サンフランシスコもとてもいいコでご機嫌で搭乗を終えました。

香穂と私は、関空でのつかれが、どっとでて、疲れた飛行機でしたが、日本は本当に楽しかったです。

友達からの東京のスイートルームの宿泊プレセントや、土佐久礼での歓迎。私たち家族を幸せにしてくれることばかりの最高の旅行でした。みなさんありがとうございました。