自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

落語~シリコンバレー寄席~

落語を聞きに行ってきました。私が大ファンの三遊亭圓橘師匠です。今年で、第5回目ですね。第1回目から、お邪魔しています。一度、私の日本講演会と重なり、行けなかったこともありましたが・・・。

第1回目のときは、私は、渡の育児が本当に大変な頃で、毎日、毎日家の中の何かが、壊れ、渡のパニックで車も傷つき・・・。と言う頃でした。レシパイトケアを頂いて、その時間で香穂と見に行きました。

日本語で、しかも日本の古典落語で、思いっきり笑い、人情話に涙した私は、落語が終わったときに、

「渡の育児が大変だけど、これだけ笑えて、これだけ感動できる私は、まだまだ渡を育てられるかも。」

と思ったのでした。笑って元気が出て、力をもらって、さて、仕切りなおし!という感じで自宅にもどり、多動の渡と戦う日々に挑んだのでした。

今回、師匠とお話しする時間があったので、この頃の話を師匠にさせて頂きました。

「第1回目の落語の頃は、私は自閉症の息子と毎日格闘していた時代で、家の中のものは壊れる、真夜中でも毎晩脱走する。店に行っては暴れるの毎日でした。言葉も通じない、親戚も一人もいないこの土地で、毎日嫌になるようなことが次々起こり、泣きたくなることもたくさんありました。その時に師匠の落語を聞いて、お腹の底から笑って、これだけ笑って元気な私は、まだまだ子育てはできるかも・・。と思い、その時頂いた元気で、渡を育ててきました。今、その渡は、13歳になり、家のお手伝いもして、きのうは野菜スープを作ってくれました。育てて本当によかったと思っています。私は、あのときに元気をくださった師匠に、いつかお礼をと思っておりましたので、今日お話できて本当によかったです。」

とお伝えしました。師匠が、

「その話をきいて、私のほうが、今まで、落語をしていてよかった。と思いました。ありがとうございます。」

とお礼を言っていただきました。

自閉をお持ちのお母様、お父様ぜひ、落語にでかけてみてください。古典落語で笑えるっていうのは、日本人である証拠みたいなものです。さらに、三遊亭圓橘は、人情話をされると、もうこちらもウルウルきてしまい、人ってすばらしいと思えます。どうぞ、お運びくださいませ。