自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

高校の選抜フットボールのお手伝い

このあたりの高校生の選抜の人たちが、フットボールの試合をしました。数日前に

「オールスターのボランティアのお手伝いがあるのだけど、手伝ってくれないか?」

というメールが自閉症のPTAのほうから、入ったので、何のことか、わからなかったのだけど、

「やります!」

と手を上げてみました。

ボラの場所は、サンノゼ大学所有のスタジアムでやるというので、行ってみると、仕事の内容は、選手の顔や、略歴が載っているプログラム(Program)を売ることでした。このオールスターを運営しているNPO団体は、いつも売上の一部のお金を自閉症児のサポートに寄付してくれるので、そのお手伝いでした。スタジアムに大量に入ったアメリカ人の間を歩きながら、

「プログラ~ム!」(Program)

と大声を張り上げて、売ります。2人一組になって、売ってくださいといわれたので、私は、日本人のお友達と一緒に組んで、声を張り上げて売り始めました。私たちが声をあげると、前に歩いている人まで振り返ってくれるので、

「ねぇねぇ、やっぱ、女の人の仕事じゃないんじゃないのかな?」

という友達に

「いや、私たちは、美声だから、みんな振り返るんじゃないの?」

と答えてケラケラと笑いながら、売っていたました。けど、買うという人がいない。みんな、振り返って、私たちを見るだけ。

しょーがないので、私が、また大きな声で、

"Program!!'と叫ぶと、後ろから、同じように

"Program"

と言ってくれるおじさんがいる。私が再度言うと、そのおじさんも再度言ってくれる。

「優しいなぁ。」と感心していたら、友達が、

「ねぇ、ゆみちゃん。発音がおかしいんだと思う。おじさんは、訂正してくれてるんだよ」

と言うので、おじさんをみるとニコニコ笑っている。やっぱ発音だ。

どうも私の発音では、

"Program"(プログラム)が

"Problem"(難題)

に聞こえるらしい。

そりゃ、振り向くわ。

「難題!難題いりませんか?」

って売っているんだもん。誰も買いたくないわ。

ということで、私は、最後まで、

「難題、難題いりませんか?」と叫び続け、それでもがんばって売りさばいた”難題のプログラム”は、周りのボランテイアの人たちよりも、結構売れました。

よかった。ほっ。けど、階段の上り下りをずっとしていたので、病み上がりには、結構大変だった。