自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

~自閉症児と1500kmの旅行~大学見学

朝、ホテルでご飯です。朝食は無料。

渡はワッフルを作る機械を見つけ、大喜び。

どういうものか?というと、

機械の横にワッフルの液体生地が紙コップに入れておいてあり、それを機械に流し込んで、機械をひっくり返して焼くというもの。ブザーがなったら出来上がり。これは、少し高めのモーテル系のホテルにあります。(すごく高めのところは、きちんとしたレストランがあるのだけど)

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しっかりワッフルを焼いた渡は、外のテラスでご飯です。

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このワッフルが大好きな渡は、大興奮。

よかったね。

さて、朝ご飯もお腹いっぱい頂き、今回の見学の最後の大学CalPolyです。ここは、カリフォルニアに23校あるCalifornia State of University(state)のうちのひとつの学校で、理系の大学です。もともとは男子校でした。この大学のツアーは、香穂から

「あのさぁ。。やっぱみんな親と一緒にまわってるし、一人でまわると寂しいので、渡とゆみちゃんも一緒に回ってくれない?」

と言われました。なので、今回ツアー初参加。ウキウキ。ツアーは、4人(3人の男性と1人の女性)の人がやって来て、自己紹介が行われました。ボランティアの学生です。この学校はOpen Door Policyで、言ってはいけないことはなにひとつなく、ましてや、お金をもらわずガイドしているので、フェアに話せる。なんでも聞いてくれ。なんでも話すからと説明がありました。いいわぁ。。こういうの。

その4名のガイドが分かれてツアーをするので、自分の気に入った人について回るというシステムです。

香穂は生物学専攻の女性を選びました。

えっ?あんたが絶対に専攻しない科目じゃない?この人でいいの?と思ったけど、香穂いわく、

「彼女が一番声が大きくて、わかりやすい。専門の人に会うのは、次回に予約をとれば、いつでも会えるしね。」

ということでした。

彼女を選んで正解。声が大きいので、英語がクリアでわかりやすい。この大学のモットーは

"Learn by Doing"「やって学べ!」

だそうです。ガイドの女の人からは、とにかく、ここの生徒はみんな優しいこと、あるいは、やさしすぎて、のんびりしすぎていることがあると最初に言われました。(勉強は、決してのんびりではないらしい。)わりと田舎の周りは山に囲まれた土地にあるこの学校。周りの山もCalpolyの所有だそうです。一番強い学科は、農業。アメリカの農業っていうのは、規模が大きいので、もう大きなプロジェクトです。とにかく農業に狂ってしまったら、ここに来い。というくらいの大学です。で、生き物の名前を言ってくれれば、山からいくらでも出してくる。私たちの大学で、たくさんの生き物を飼っているからと言います。

理系に強いこの大学は、専門的に深く学ぶために、入る時には、専攻学科を決めて入らねばなりません。ガイドのコが言うのは、来るコは、温和な性格が多いのか、来ると温和になるのかで、寮(2人1部屋)に入るときの質問表も

「タバコを吸いますか?」

「タバコを吸う人に耐えられますか?」

くらいの質問だけでも、問題なく寮生活が行なわれているらしい。寮は禁酒らしい。UCLAでは、

「寮(2人1部屋になっている)に入る人は、ぶあつ~~い質問表が送られてくるので、それにしっかり答えてください」

と言われたけど?どうなってるんだ?この大学?

なぜかというと、1年生は、学校が始まる数週間前に大学に入り、1週間、勉強しないで、2年生と遊びまくるそうだ。

街にでて、映画館をみたり、いろんな情報を与えてくれるらしい。なので、困ったことがあれば、相談できる先輩が山のようにいるということのようだ。

大学自体は広いのだけど、建物が迷いやすいと言われました。なぜかというと、学校のモットーが、

「やって学べ!」

なので、建築学科の生徒が校舎を建てて卒業するケースが多いからだそうです。卒業の課題に校舎を建てさせる学校もすごい。本当に"Learn by Doing"やって学べ!だ。なので、学生は、かっこいい校舎を造りたがるので、迷わないという機能性より、かっこよさで建設してしまうようだ。クラスも大体のクラスは一クラス50名以下で行われて、彼女がとってるクラスは30名以下というのも結構あるらしい。これはいい比率です。コンピュータや、アートのほうの話もあったのですが、ここの部分聞けませんでした。実はずっといい子で付いて来た渡が、突然芝生の上に座って動かなくなってしまった。よくみると鼻血を出していた。あわてて、列からはずし、手当てをしたのだけど、アメリカは血に対して、結構神経質な人が多い。血液から移る病気が多いと思われているからです。手当てをするため、列から離れた渡は、再度歩き出し、完全に見失った香穂のグループを、見つけて自ら加わったものの、やはり鼻血が止まらず、周りの人から少し怯えられて、しかたなく脱落。渡は香穂に迷惑をかけないように、必死で一番後ろのほうで、叫びもせず、いいコにしていたのに。他の家族の弟や妹たちのほうが、結構うるさかったほどだったのに。残念だったけど、渡もちょっとほっとしていた。

あと15分足らずだったので、わたしたちは、集合場所で待つことに。待っていて見つけたのですが、この学校、学校内にこんなものまである。

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ありえん・・・。

香穂が無事に帰って来て、さてレストランでご飯。私は、牛肉入りサラダと言うのを食べたのですが、この牛肉、冷えているのに、おいしい。とても柔らかい。香穂に

「このお肉おいしいよ~!」

と言ったら

「あっ、そうそう!ここの大学、牛を殺して精肉にすることもできて、それを大学内で食べれるんだよ。だから、おいしいんだ。San Luis Obispoの街の人はここの卵を食べてるんだよ。町に売ってるの。」

という。本当にやって学んでいるのがよくわかる。香穂が

「大学内にも売ってるって言ってた。農業科の隣だ。」

と言うので、いってみるとそこは、スーパーマーケットになっていた。

お肉はどこで売ってるのかわからなかったけど、卵とアイスは見つけました。

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このアイスは、むちゃくちゃおいしかった。渡と香穂と私と3人であっという間に食べました。

この大学、私は好きです。私がアメリカの高校生だったら、たぶん、ここに入るために必死で勉強したかも。けど入っていたら、絶対に太っていると思う。あっ、なのに、太ってる学生は少なかったなぁ・・。

香穂に聞いたら香穂も

「うん。この大学いいね。私も好きだよ。けどね。学校内歩いている間、牛の臭いがするんだよね。特に、農業科のところはすっごい牛の臭いだよね」

と言われてしまった・・。

最後にCalpoly Plantでチューリップを買って、大学見学は、これで終わり。

全部の大学で、言われたことは、1年目は寮に入り、(寮はとにかくおもしろいんだ。と誰もが言った)2人1部屋を体験して、思いっきり楽しんで友達を増やすこと。

車は、1年目は、持ってこないほうがいいということ。

これは、どの大学でも共通して言われました。とくに車と寮は相性があまりよくないみたいだった、車がなければ、優先的に寮に入れる大学もあったし。

香穂もなんとなく、アメリカの大学っていうのを、ほわっと理解できた感じです。