自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

難波&梅田へ

実家を朝早く出て、梅田と難波へ行ってきました。梅田まで出た理由は、阪神百貨店のイカ焼き。これが食べたかった。渡は、昨年度、ここで、初めて、立ち食いラーメンを体験しました。それをよく覚えいる渡。朝からラーメン、ラーメンと叫んでいます。で、ラーメン&うどん。というので、なにか?とおもいきや、ラーメンやの前にうどんやもあり、そこのうどんも食べるということでした。とにかく、この立ち食いは、自閉で、聴覚が敏感な渡には、結構大変。

1.うるさくて、耳が痛い。

2.しらない人が両隣に、それも触れてしまう位至近距離にいる。

3.たって、ご飯を食べる

の3つの作業をクリアーしないといけません。

梅田到着後、一番目は、香穂の画材を探すためにLoftへ。東京で買い足りなかったものをしっかり買っていました。

次に阪神百貨店へ。

渡は、大喜びで、素ラーメン2杯完食。その後、うどんと叫ぶので、素うどんも注文してあげ、これも完食。よく食べるなぁ・・。と香穂をみると、彼女もラーメンを食べ、たこ焼きをたべ、イカ焼きを食べました。その後、本屋にいくと、渡のお気に入りの本がありこれも、購入。

人ごみの中、渡は、パニックも起こさず順調です。けど、ところどころで、騒音に必死で耐えている感がありました。

夕方、私の友達と待ち合わせして、喫茶店に入ったのですが、やはり、渡が限界に。トトロハウス(私の実家を隣のトトロの家と同じだと思っている渡)に帰りたい、といい始めました。本を読みたい、ビデオを見たい、といいます。

私は、久しぶりに友達に会ったばかりだし、どうしようか?と思っていたら、香穂が、

「私と渡で帰ろうかな?」

と言い出しました。おっ!これは、いい体験だと思い、

「帰れるの?」

と聞くと、

「駅からの道がわからないんだよね・・。あと降りる駅名と。けど、それは、渡が覚えてると思う」

という香穂。たしかに、降りる駅や、駅からの道のりは、渡は、一昨日着いたときに1年前のことを100%覚えていた。

これもいい体験だと思い、

「迷ったら、駅の人に聞くんだよ。」

といって、切符とテレフォンカードを持参させて、電車に乗せて、私の実家へと2人で帰ってゆきました。

友達は、

「大丈夫?2人で、帰らせて・・。私は、いいよ」

といってくれたのですが、

わたしとしては、香穂の自主性を買いたい。ということで、2人で、電車にのせました。

渡には、約束ごとを話して、(香穂から、離れないこと、香穂のいうことをきくこと。パニックを起こしてはいけないこと、パニックを起こしそうになったら背中のリックの電車をだして、遊ぶこと)などを話しました。

けど、渡は余裕で、

"Bye-Bye Mon, See you later!"

と超ご機嫌。こういう時は必ずきちと用事をこなす渡です。

最近自立したがっている渡には、いいチャンスだったのでしょう。

香穂は少し緊張気味でしたが、

「大丈夫。じゃ、家でね。」

といって、車中の人になりました。

子供たちが家に着く時間をみはからって実家に電話したら、

母が、

「えらいよぉ。この子たち。きちんと帰ってきたわ。アメリカ人やのに。」

と言う訳のわからないホメ言葉を言っておりました。香穂にかわると

「渡は余裕をかまして、他の道で寄り道しながら行こう!」

という提案を香穂にしたそうだけど、

香穂は、方向音痴なので、

「却下!」

ということで、今朝、歩いた道と同じ道を歩いて帰ったそうです。

渡は、

"I did it!"(ちゃんとできた!)

と叫んでいました。

二人とも、自信をつけたね。いい思い出になったね。よかったね。けど、ママは少し心配で、私のほうが、子離れできてない自分を実感しました。