鹿児島大学の講演会に出席した方から、IEPのゴールについての質問が来ました。1年のゴールと長期ゴール(たとえば、大人になったあとのゴールと思ってもらってもいいかも)は、統一しないといけないのか?というような話がありました。この話から、少し面白いことを話してくれたお母さんの話を思い出しました。その方は、15歳の自閉症児のアメリカ人の母親です。彼女は、
「IEPのゴールの決定は難しいよねぇ・・」と、おっしゃるのです。彼女は、働いているので、IEPでスクールバス(写真のようなもの)で学校に子供が通えるように手配しました。けど、学区が、なぜかその年は、スクールバスの手配を渋り(これは、違法なんだけどね。希望すれば、家の前まで迎えに着てくれるのよ。普通。)そのお母さんは、州にファイル(訴える手前の協議申し込みですね。)をしました。お母さんは、結局、スクールバスの通学を勝ち取ったのですが、いざバスが来ると、その子供さんは、思春期なので、難しいお年頃。いままで乗っていたバスなのに、
「こんな、ガキが乗るようなバスには、乗れない」
となり、バスにお引きとりいただき、普通のバスで通うための訓練の申し込みをされたそうです。彼は、訓練の方と一緒に学校に通っているそうで、そのお母さんいわく、
「やっぱ、IEPは、14歳になったら、一緒に出席してもらって、子供の意見を一番に聞くのがいいわよ。いったい、あの協議ファイルは、なんだったんだろう・・と思ったもの。」という助言でした。
私も、これやりそう・・。と思い、フムフムと聞いてしまっていました。
子供って、障害があっても、なくても、100%親の思うとおりなんて、育たないし、子供にだって子供の生きる力があるのだから、親ができることって、子供の生きる力を伸ばすちょっとした手助けなんだろうな・・と思ってしまった話でした。子供の人生のコントロールなんて、所詮できないんですよねぇ・・。