自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

我が家の旅行の形

うちの旅行は、ホテルの予約をあまり取りません。目的地が、観光地の場合は、その場合だけ、取ったり取らなかったりです。目的地に着くまでは、テキトーにホテルを選んで、とまりながら目的地につく感じです。というのも、渡は、小さい時は、重度の喘息とアレルギーのために、車で走って、山道を走ったりして、ちょっと高度が上がってくると熱を出して、発作をおこしたりするので、予定の変更を余儀なくされます、旅行中止などもあります。

最近は、まだマシになりました。

きのうもテキトーに走って、町で高速をおりて、ホテルを探していました。高速道路沿いの町には、何件かのモーテルといわれるホテルがあります。私は、なるべく綺麗そうで、(渡は、埃にアレルギーがあるので)安いホテルを探します。いつもは、一軒一軒、車をとめて、値段を聞き、交渉に入ります。最初の一軒目は、あまり綺麗じゃないホテルに車を止めました。1泊いくらか?と安いホテルの相場を認識します。そのホテルは、1泊2つのベットがある部屋で、55ドルでした。値段を聞いてありがとうといい、2軒目のホテルで交渉開始。きれいそうな場所を探します。そしたら、85ドルと言ってきました。私が、あっ、これは、ちょっと交渉するのには、滑り出しが、高いなぁ。。と思い、

「ありがと」と帰ろうとすると!

「ちょっとまって!」と引き止められ・・。(よし!これはいける!と、ここで思う私)

「それは、値段が高いから、帰るのか?」というので、

「そっ!」というと、

「いくらなら泊まる?」ときくので、

「いくらなら泊まるじゃなくて、だって、ここの通りぞいのホテル55ドルなんだから、そこへいくよ」というと

「えっ・・・そんな・・なら同じ値段でいいよ。」といいます。

「あっ!なら、泊まるわ。2つのベットがある部屋だよ。その値段・・・」

「えっ。そうなの?」

「そうよ。だって、今、外に子供がいるんだから、。1つのベットに二人の子供と一緒に眠れない。」

「わかった、なら、その値段で。。」とキーボードをうつホテルマン。

「ありがと。あっ、だけど、通り沿いのホテルは、TAXも込みで55ドルだってさ」

と私がいうと、おにーちゃん、目がまん丸。ホテルのタックスは、場所によってちがうけど、たいてい12%ほど取られます。けど、現在22時。ホテルの駐車場を見る限り、

そんなに車はたくさんとまっていません。歩いてくる人はいないだろうから、

完全な、買い手市場。

「・・・・わかった。。TAX込みで、55ドルね」

「ありがと。うれしいわ。」というと

「あんた、何人?」

「日本人」

「そうなんだ!日本人ってあんまり話さないよね」(←ここで、暗に、ここまで日本人はねぎらないと言っている)

「そうかなぁ。。話す人は話すよ。けど、私は、英語は苦手だよ。」

ちゃんと英語が話せない私に、35ドルも損をした彼は、やっぱ、プライドが許さないのでしょう。

「そんなことない、話せてるよ。」だって。ごめんね。にーちゃん。我が家も財政苦しいのよ。

カギをもらい、ホテルのロビーの前で渡を見ながら待っていた香穂に、この話をしたら、

「えっ?ゆみちゃん、30ドルも負けさせたの?TAXいれたら、40ドル近くだよ。40%以上オフじゃん。それって鬼じゃん!」

そうです。その通り。申し訳ない。

ところで、どうして、彼女たちは、ホテルの受け付けのガラスの外でまっているか?というのは、これは、香穂が小さい時の学習からです。というのは、昔は、こういう旅行をすると、訳のわからない渡は、ロビーで叫んで、あばれるために、宿泊を断られたことがありました。はっきりとではなくて、「満室で。。」という言い方などで・・。彼女はそのことを覚えていて、チェックインの時は、たいてい外で、私から見えるところで、渡の面倒を見ながら私の交渉が終わるのを待ちます。渡もなんども旅行をするうちにいろいろ理解し、叫ばなくなりました。

5回や6回の旅行でクジけなければ、旅行は、問題なくできるようになってきますね。なるべく小さいうちに、たくさんの旅行にいくと、大きくなるころには、なれていますねぇ・・。