自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症児とともに・・3700kmの旅 グランドキャニオンを後にして・・。

 昨晩はグランドキャニオンに泊まりましたが、とてもよかった。というのも、電車で、荷物を持ってやってきたのですが、荷物は駅からホテルまで運んでくれるとのこと。1泊グランドキャニオンで泊まるだけなのだけど、3人の着替えとなると、それなりの荷物になります。帰るときはどうするのか?とホテルの人にチェックインの時に聞いてみると、部屋に置いてくれれば、OK。後で係りの人が取りにきてくれて、電車に乗せてくれるといいます。なんか、古き良き時代の電車旅行みたいですね。

なので、荷物もないので、国立公園が運営する子どものためのプログラム、ジュニアレンジャープログラムに入りました。国立公園にいくたびに、このプログラムに入るのですが、これは、自閉症の渡には、ちょっとタフ。最初に問題集を渡されて、もちろん、渡はできないので、お姉ちゃんに答えを教えてもらい、記入します。(ママは英語が読めないので、教えられない)それから、国立公園のレンジャーの人たちが企画しているプログラムに入ります。普通は渡がお得意のトレイル歩きなのですが、今回はお天気がイマイチだったのと、トレイル歩きに参加するほど、時間がありませんでした。そのことをレンジャーの人に説明すると、他のレンジャーの人の夜の企画で、絶滅の危機にあるカリフォルニアコンドルの映画と説明会があるというので、参加しました。渡は前回も他の国立公園で、参加しているために、このプログラムに参加すれば、ジュニアレンジャーの認定バッチがもらえることを知っています。彼は、このバッジをもらえることを誇りに思っているようです。

なので、かろうじて、まったく意味がわからなかったであろう、1時間の上映に耐え抜きました。けど、最後にカリフォルニアコンドルと言っていたので、たぶん、なにか、彼なりに得るものはあったのでしょう。そこで説明してくださったレンジャーの方からもらった、サインを持って、今日はビジターセンターへ。ここで見せられた宣誓文を読んで、宣誓をします。レンジャーの人には、

自閉症なので、気がむいたら読みますが、気が向かないと読みません」

と言ったら、相手も慣れたもので、

「ワタ、これ、ボクのため読んでくれないだろうか?」

と言ってくださいました。人からものごとを頼まれたことのない渡は、うれしかったのか、ニッコリわらって、宣誓文を手を上げてすべて読み、無事にバッチを頂きました。それからトレイルをあるいて、電車の駅に向かいました。そしたら、そこでもうれしいことが・・。渡は、男の兄弟二人が雪合戦をしてるのをじっと見ていました。社会性のない渡は、友達と遊ぶのが苦手なのですが、おもむろに男の子に近づき、彼に向かって雪を投げたのです。お兄ちゃんのほうになげたら、みごとと命中。それをみていた弟が、渡に雪を投げました。それも命中。おもしろかったお兄ちゃんが、弟に投げる。このように雪合戦の火花が飛び始めました。かれこれ1時間、知らない兄弟と雪合戦をして、汗づくの渡。ついつい、私は、

「あんたさぁ。。重度自閉症じゃなかったっけ?」

と確認したほどです。やっぱ渡は自然界にいると、のびのびして、社会性も発揮してくれます。あぁ楽しませてもらいました!