自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

気が弱い詩人に思いを馳せて。帝国ホテルでの兄弟時間。

昨日は病院へ駆け込む前に、渡のリクエストで長崎ちゃんぽんをいただきました。 これが、なかなか美味しかった! 久しぶりに食べたからというのもありますが、旅行中はどうしても野菜が不足しがちなので、たっぷりの野菜が体に染み渡るようでした。

今朝は「みんなで日本のモーニングを体験しよう!」ということで、3人で「高倉町珈琲」へ。

お店へ向かう道すがら、立派な銅像がありました。「なんだろう?」と思って見てみると、どうやら萩原朔太郎にちなんで建てられた像のようです。

萩原朔太郎……。中学校の頃によく読んだなぁ、と懐かしくなりました。でも、当時一番よく読んでいたのは中原中也だったかもしれません。あの頃の私は、なんだか「気が弱い詩人」に惹かれるところがあったようです。当時の自分を思い出し、少しノスタルジックな気分に浸ってしまいました。

そんなこんなで高倉町珈琲に到着。

いただいたスフレホットケーキに子供達、驚く。美味しい。

さて、今日は兄弟と再会する約束の日です。父の近況などを報告し合いながら、一緒にお昼をいただこうと話していました。父は今も元気で、頭もしっかりしているので、私たち兄弟も一安心。そんな安堵感の中での集まりです。

どこで食べようか?という話になり、「たぶん空いていないとは思うけれど……」と、私がメンバーになっている帝国ホテルに問い合わせてみることに。すると、運良く「レ・セゾン」のメンバー席に空きがありました。 兄弟それぞれ忙しく、全員のスケジュールを合わせて食事をする機会はなかなか作れないので、本当に貴重な時間になりました。

一通りのコースを堪能しました。いただいたコースはこんな感じ。

ワインは2種類飲んだのですが、1種類は撮影忘れた。

「美味しかったね」と言い合いながら、兄弟とはまたの再会を約束して別れました。

さようなら、帝国ホテル。また次回!

 

明日は3人で出かける予定ですが、香穂はまた別のお友達とランチだそう。 「渡が行きたいところに行こうか?」なんて話しています。

日本に帰ってくると、なんだかんだでいつも時間が足りなくなってしまいます。それだけ充実しているということなのでしょうが、やっぱり名残惜しいものですね。

おじいちゃん、さようなら。また来年と渡が父に伝えた日

実家での最終日。昨日は狭山池を歩いた後、家で「作り置き」に精を出しました。 父が大好きな肉じゃがや、餃子などをひたすら作りまくります。

餃子は冷凍しておけば父が自分で焼けるので、とても便利。 実は、父は市販の餃子を食べると胃が痛くなるそうで、私もそれが遺伝したのか、同じことが起こります。なので、我が家の餃子は必ず「手作り」がルール。

昨日は香穂が難波で友達と会ってから早めに帰宅し、餃子作りを手伝ってくれました。おかげで100個近い大量の餃子が完成! 父はこれを、庭で収穫したスダチとお醤油で食べるのがお気に入りです。スダチはシーズンの終わりに全て収穫して汁を冷凍保存しているので、一年中楽しめるのだとか。

昨日は日差しにも恵まれ、布団干しや洗濯など、溜まっていた家事も一気に片付けることができました。

さて、本日は東京へ向かう日です。

東海道新幹線に乗って、今回の旅の「新幹線乗り納め」です。

新大阪を出る際、周りに人がいなかったので、少し早めのお昼ご飯。 「たこ昌」はあまり好みではないので、「くくる」のたこ焼きを選びました。

電車が出発してしばらくしたら、本格的なランチタイム。 子供たちは日本の駅弁が大好きなので、それぞれ好みのものを買い込みました。

私と香穂は城崎名物「かに飯とすき焼き弁当」。 渡は、紐を引っ張ると温かくなる「神戸のすき焼きとステーキ弁当」です。 「冷たいお弁当は食べたくない」という、自閉症あるあるのこだわりを持つ渡ですが、この紐を引いて温かくなるタイプは大のお気に入り。

お腹がいっぱいになったら、あっという間に品川に到着しました。

宿泊先は、渡の希望で大浴場がある大井町の「アワーズイン阪急」。 1階に渡が大好きな「長崎ちゃんぽん」のお店があるのもポイントです。それにしても、どうして彼はこんなに大浴場が好きなのか……。私も大好きなので、これも遺伝かもしれませんね。

夜、香穂は東京の友達と会うためにお出かけ。 一方の私は、今回の旅行で膝の痛みがピークに達し、ついに整形外科へ行く決心をしました。お風呂に入っても痛みが引かなかったので、ホテルで留守番できるという渡の言葉に甘え、夕方の病院へ駆け込みました。

待ち時間なく診てもらえましたが、先生は見るなり一言。 「そりゃー、こんなに腫らしたら痛いわ。注射一本するからね」 痛み止めを打ってくれるのだと思い、私はホッと胸をなでおろしました。

不安になって看護師さんに「注射は痛いですか?」と聞くと、「そうねぇ、最初はチクッとするかな」とのこと。最初だけなら……と覚悟を決めてベッドに横たわりました。

ところが、治療が始まると……痛い。なんだか、すごく痛い! 針が抜ける気配もなく、ふと足元を見ると、液体がどんどん吸い出されているではありませんか。 そこで気がつきました。これがあの有名な「膝の水を抜く」というやつだ!と。

「痛いです!注射嫌いなんです!」と訴えると、先生は笑いながら「注射好きな人なんていないよ」と言いながらも手を休めません。ようやく終わって見せられたのは、軽く200ccはある不気味な液体。怖すぎます……。

でも、処置が終わると足の腫れがスッと引くのが分かりました。

「今日はお風呂とシャワーは控えてね」と言われ、病院に来る前に大浴場へ行っておいて本当に良かったと痛感しました。

今夜はもう無理をせず、本を読みまくって過ごすことにします。 明日は兄弟に会う予定。とにかく今夜は静かにしておこう、そう心に決めた夜でした。

狭山池の龍神様と朝の散歩

実家で過ごす数日間。 渡(わたる)は環境の変化に興奮しているのか、朝からハイテンション! 早起きして、疲れ果てている香穂やおじいちゃんを起こしてしまっては大変です。あまりにパワーが有り余っている様子なので、発散させるべく朝からお散歩に出かけることにしました。

我が家の近くには、日本最古のため池「狭山池」があります。 池のほとりを歩いていると、鶯(うぐいす)の鳴き声がとても綺麗に響いていました。


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どんどん歩いていきます。 一周約2.8kmの周回路は、ランニングをする人やワンちゃんの散歩をする人など、たくさんの人が思い思いに過ごせる、綺麗に整備された道です。

私たちは「大阪府道202号 森屋狭山線」側の入り口から入ったのですが、ちょうど対角線上にコメダ珈琲があるので、そこでの休憩を目標に歩き始めました。

ようやくコメダに到着して一休み。

美味しかったー!渡も満足したようです。

さて、再び歩き始めますが、ちょうどコメダ珈琲のすぐ近くに「龍神社」があります。

「狭山池」の立派な石碑も。

ここは日本最古のため池ですので、伝説もたくさん残っています。 池に住む龍神様が泳いだ跡が道になったというお話や、池を守るために姿を現したという逸話。江戸時代の改修工事の際にも、龍神様の怒りに触れないよう丁重に祭祀が行われた記録があり、今でも大切にお祭りが続けられています。

実はこの狭山池の龍神様(メス)、なかなかに一途な恋の伝説があるのです。 10kmほど離れた隣町、富田林市の「粟ヶ池(あわがいけ)」に住むオスの龍に会うため、彼女は夜な夜な通い詰めていました。ところが、大きな龍が移動するたびに田畑が荒れてしまい、困った村人たちは一案を講じます。 「そんなに仲が良いのなら、いっそ一緒に住んでいただこう」と。

こうして富田林のオスの龍に狭山池へお引越ししてもらい、二体を一緒に祀るために建てられたのが、この龍神社なのだそうです。なんだか微笑ましいお話ですよね。

大阪狭山市のマスコット「さやりん」も、この龍がモチーフ。 狭山池は桜の名所でもあるので、髪の毛が桜の花びらになっているのです。 

子供の頃は何気なく見ていた地元の景色ですが、大人になり、こうして渡と一緒に歩きながら改めて伝説に触れると、「長い歴史の中で守られてきた場所なんだな」としみじみ感じます。

渡の有り余るパワーのおかげで、歴史再発見の朝になりました。

 

ひのとり最前列で大阪へ!おじいちゃんとの賑やかな再会

ヒルトン名古屋でのんびり過ごして、エネルギーチャージ完了! 朝ごはんもしっかり食べて、今日は大阪にいるおじいちゃんに会いに行きます。

名古屋からは、近鉄特急の「ひのとり」に乗車です!

新幹線も便利ですが、あえて近鉄特急を選ぶのには理由があります。 窓が大きくて景色がとっても綺麗なこと。外を見るのが大好きな渡が、飽きずに楽しく過ごせること。そして、到着が難波なので実家へのアクセスが良いことなど、嬉しいポイントがいっぱいなのです。

このロゴ、いつ見てもかっこいいですよね! 実は1ヶ月前から気合を入れて予約に挑み……なんと、プレミアムカーの最前列をゲットしちゃいました!

目の前に広がる大パノラマを楽しみながら大阪へ向かえるなんて、最高のご褒美。これには渡も大興奮でした!

楽しい時間はあっという間で、難波に到着。 お昼を済ませたあとは、子供たちは買い物へ、私は父へのお土産探しに奔走します。

「はり重」や「鳥生」のお肉、懐かしの「ヒロタのシュークリーム」などなど……。昭和の香りがするお気に入りの和菓子もたっぷり買い込みました。 渡はお姉ちゃんにお願いして、自分が行きたいところへ連れて行ってもらったようです。

「用事が終わったら実家で合流しようね」と話していましたが、なんと終わったタイミングが奇跡的にピッタリ!結局みんな揃って実家へ向かいました。

実家では、父が元気いっぱいに迎えてくれて、渡は大喜び! 父のリクエストだったお刺身やお寿司を囲んで、賑やかな夕食の始まりです。

渡はおじいちゃんに「伝えたいこと」がいっぱい! 一生懸命お話ししようとするのですが、なかなか思うように言葉が出てきません。それでも、おじいちゃんは終始ニコニコと耳を傾けてくれました。 香穂も隣でいろいろと質問攻め(笑)。父もしっかりとした足取りと口調で、孫たちの問いかけに一つひとつ答えてくれました。

楽しい夜は更けていき、渡も「おじいちゃんに会えて良かった!」と満足げに眠りにつきました。 明日は、おじいちゃんが大好きなものをたくさん作る予定です。楽しみな明日です。

名古屋入港。念願のきしめんと、至福のスイート女子会

船内のバッフェで山ほど食べて、大浴場には4回も浸かり……フェリーの旅をこれ以上ないほど満喫した渡。 ゲームセンターで手に入れたアンパンマンと5頭の馬、総勢6体(頭?)の頼もしいお供を連れて、桃太郎さながらの勇ましさで、定刻通りの朝10時30分に、いざ名古屋港へ入港です。

名古屋に降り立ち、渡が何より楽しみにしていたこと。それは「めんつるび」できしめんを食べることでした。 この「きしめんを食べる」というミッション、実は今回の旅行の「やりたいことリスト」で堂々のトップ5に入るほどの大本命。

半年もの間、ずっと「めんつるび、めんつるび」と唱え続けてきた渡。 ついに目の前に現れた念願のきしめんは、ツルリと喉越しの良い、期待通りの美味しさでした。

お腹が満たされたところで、今夜の宿「ヒルトン名古屋」へ。 チェックアウトの際、少しの差額でスイートルームへアップグレードできるとのご提案をいただきました。

成田から始まり、羽田、北海道、東京、山形、仙台……と、ここまで渡をサポートしながら走り抜けてくれた香穂も、きっと疲れが溜まっているはず。 「ここまで頑張ったお互いへのご褒美に」と、今夜は贅沢にスイートでの滞在を決めたのですが、これが大正解でした。

客室に足を踏み入れると、目の前に広がるのは開放感あふれる極上の空間。


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渡は広いソファーに深く腰掛け、お気に入りのDVDを観ながらリラックス。 その横で、私と香穂はリビングのテーブルを囲み、賑やかに女子会スタート!

慣れない土地での移動や渡のケアなど、これまでの旅路を振り返りながら語り合う時間は、何物にも代えがたいひととき。 香穂もようやく緊張の糸が切れたのか、最後は泥のように深い眠りについていました。本当にお疲れ様。

さて明日は、鉄道好きの母の本領発揮! 近鉄特急「ひのとり」の最前列という特等席を確保して、大阪へと向かいます。 私たちの旅は、まだまだ続きます。

太平洋をゆく「いしかり」。潮風と、ぬいぐるみと、笑い転げる夜

いよいよ、渡がずっと楽しみにしていたフェリー乗船の日がやってきました。 仙台港から名古屋港を目指します。出港は12時50分。乗船開始までの隙間時間を使って、ホテルで割引券をいただいたアウトレットセンターへ立ち寄ってみることに。

ところが、足を踏み入れた瞬間に思わず苦笑い。 そこにあるのは、アメリカの地元で見慣れた景色とほぼ同じ光景でした。 「ねえ、私たちアメリカに戻ればいつでもここに来れるよね?」 そんな冗談を言い合いながら、それでも割引券をしっかり使って「ずんだアイス」を堪能。そんな寄り道も、家族一緒なら楽しい思い出です。

さて、いよいよ船着場へ。 青い空の下、悠然と横たわる船体が見えてきました。

太平洋フェリー「いしかり」。 その堂々たる姿は、文句なしに「かっこいい」の一言です!

IPコラボの女の子(可愛い!)に出迎えられ、いざ乗船。 客室は「和洋室」を選びました。ベッドで休みたい香穂と、畳でゴロゴロしたい渡、二人の希望を同時に叶える魔法のお部屋です。

窓の外に広がるのは、どこまでも深い青色をした海。 船内でゆっくりランチを済ませ、船内探検をしたり、潮風を感じながら大浴場で汗を流したり。非日常の贅沢を味わっているうちに、あっという間に夕飯の時間がやってきました。

今夜は波の高さが2メートルほど。「少し揺れるかも」と酔い止めを飲んだら、親子揃って一気に眠気が襲ってきました……。

それでも、旅の夜はまだ終わりません。 睡魔と戦いながら足を踏み入れたのは、船内のゲームセンター。 馬のぬいぐるみに目を奪われた私が挑戦するも、一向に取れる気配なし。

そこへ颯爽と現れた香穂が、「あ、馬が欲しいの?」と言い放ち、次から次へとゲットしていくではありませんか。

アメリカにはこうした精巧なクレーンゲームは少ないはずなのに、なぜ……? おそらく、美大で培った「物体の重心」を見抜く眼力が、ここでは最強の武器になったのでしょう。

馬を5頭も手に入れ、ホクホク顔で帰ろうとした矢先、渡がぽつりと

「アンパンマンが欲しい」

と。 するとお姉ちゃん、これも一発で仕留めてくれました。 片や、お金を溶かすだけで何も取れなかった母……。小さくなって部屋へと戻りました(笑)。

部屋では、今日の名場面(?)を再現。 「馬たちにカツアゲされるアンパンマン」という構図を作り出してみたものの、香穂には呆れ顔をされてしまいました。

明日の朝10時30分には、名古屋港に到着です。 それまで、波の音を子守唄に、もうしばらく船上ののんびりした時間を楽しみたいと思います。

仙山線に揺られて仙台へ。伊達な街と、それぞれの再会。

今日は日中、娘の香穂とは別行動です。彼女は山形の友人に会いに、私と渡はかねてより乗りたかった「仙山線」に乗って仙台を目指します。

出発前、早朝の上山(かみのやま)を少し散策しました。 武家屋敷の家並みが今も美しく残るこの街。

開門は9時からということで、早朝は外から眺めるだけでしたが、手入れの行き届いたお庭の美しさに目を奪われます。

まだ名残の桜が咲いていて、凛とした空気の中に春の色彩が溶け込んでいました。

「かみのやま城」もまだ閉門中でしたが、朝陽に映える可愛らしいお城の姿を拝むことができました。

さて、ホテルに戻って朝ごはん。……驚いたことに、朝から日本酒が飲み放題! なんという、お酒好きには堪らない(そして危険な)旅館でしょう。

食後はホテルのお庭を堪能。池には見事な鯉たちが泳いでいたのですが……。 「BMIは絶対に肥満だよね?」と聞きたくなるほど、丸々と太った鯉が大量に。アメリカのスケールには及ばないかもしれませんが、なかなかの迫力でした。

チェックアウトを済ませ、山形駅で香穂としばしのお別れ。 私と渡はいよいよ仙山線へ。車窓を流れる豊かな山あいの景色は、やはり何度見ても素晴らしいものです。

景色を愉しんでいるうちに、あっという間に仙台へ到着。

渡のリクエストでポケモンセンターへ向かうと、そこには仙台限定の可愛すぎるポケモンたちが!

連れて帰りたくなりますが、これ以上荷物を増やすわけにはいきません……。

仙台の街を歩いていて改めて思うのは、その「伊達政宗推し」の凄さです。 ふと見かけた救急車。

なんとルーフにまで伊達の紋章。徹底しています。

そんな中、旅の序盤では立ち寄ってはいけない「禁断の場所」を見つけてしまいました。

本が大好きな渡が「入りたい」と言うので入店した結果、この有様です。

これ、どうやってアメリカまで持って帰るの!? 「まんじゅう怖い」ならぬ「丸善怖い」。本好きの誘惑は恐ろしいものです。

夕方、香穂も山形から合流しました。 友人が米沢まで連れて行ってくれたそうで、満開の桜にいたく感動した様子。「本当に綺麗だった!」と目を輝かせていました。

夜は、お待ちかねの牛タンタイム。 渡が落ち着いて過ごせるよう、比較的ゆったりした「牛タン利久」のホテル近くの店舗へ。

湯上がり、香穂から山形での話を聞きました。友人がずっと桜の開花情報を追ってくれていたそうで、その心遣いに感謝が止まりません。

地元の花見客(いわゆる酔っ払いのおじさまたち)に絡まれる場面もあったそうですが、そこは「お酒好きの母」を持つ娘。酔っ払いのあしらいには慣れたもので、逆に山形の耳寄り情報を聞き出していたのだとか。 ハラハラ見守っていた友人を横目に、ちゃっかり歓迎されてしまう香穂。お酒は一滴も飲めないのに、酔っ払いへの対応力だけは人一倍です。

そんな話を肴に、今晩のお供は「阿部勘」。

こんなに美味しい地酒がさらりと飲める仙台、恐るべし。 「もう、ここに住みたい……」なんて本気で思ってしまいます。

3人とも綺麗に完食し、ホテルへ戻って大浴場。 お風呂が大好きな渡は、水を得た魚のように喜んでいました。

さて、明日は渡がずっと楽しみにしていたフェリーへの乗船。 旅はまだまだ続きます。

山形へ

本日は家族3人で山形へ向かいます。

今夜の宿は「かみのやま温泉」。 まずは大好きな新幹線で旅のスタートです!

私たちが乗り込んだのは、山形新幹線「つばさ」。

車窓の景色が本当に美しくて、新幹線の中でも特にお気に入りです。 ご機嫌な気分で山形に到着しました。

山形での最初のお目当ては「お蕎麦」。 行き先を決めずに駅の観光案内所へ飛び込み、おすすめを聞いてみたのですが、第一候補だったお店はあいにくの定休日……。

そこで新たに紹介していただいたのが、こちら。 「庄司屋 本店」 tabelog.com/yamagata/A0601/A060101/6000010/

名物の「板そば」が、驚くほど美味しかったです!

香穂は天ぷらそばを。 お腹がいっぱいになったところで、「駅までぶらぶら歩こうか」と歩き出すと、突然、渡が「髪を切りたい」と言い出しました。

こんなところに散髪屋さんなんてあるかしら……と思っていたら、なんともお洒落なサロンを発見!

「Hangout(ハングアウト)」

hangout-bbh.com

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山形駅前から徒歩圏内で、男性客で賑わう素敵なお店でした。 ここでの対応が本当に素晴らしかった。店長さんが携帯で次々と画像を見せてくださると、絵での認識が早い渡は、自分の好みを片言の日本語で伝え始めました。

私と香穂は「これは自分たちが出る幕ではないな」と、無言で見守ることに。 すると渡の口から「フェードカット」という言葉が飛び出し、店長さんも「じゃあ、その髪型で行こう!」と快諾。

「フェードカットって何……?」とポカンとする私に、香穂が

「今一番流行ってる男の子の髪型だよ。渡よく知ってるね!」

とフォロー。流行にはしっかり敏感なようです。

後ろをすっきりと刈り上げるスタイル、確かにアメリカでもよく見かけますね。 カットの技術も高く、山形の方はもちろん、旅行ついでに立ち寄る価値ありの素晴らしい技術でした。

スッキリしたところで山形駅へ戻り、電車で「かみのやま温泉 仙渓園 月岡ホテル」へ。今回は渡が選んでくれたホテルです。

到着して早々、セルフでお煎餅を焼けるサービスがあり、美大の大学院を卒業した香穂の本領発揮!

渡が大好きな「アンパンマン」の顔が、次々とお皿に積み上がっていきます。……ちょっと怖いぐらいの山盛りに(笑)。

絵が苦手な私は感動して「さすが美大卒、アンパンマンもうまいね!」と褒めたのですが、 「アメリカの美大でアンパンマンの描き方は習わないし、煎餅に描くために卒業したわけじゃない」と冷静なツッコミを食らってしまいました。……おっしゃる通り。

その後は温泉へ。 渡もYouTubeなどで入り方を予習済みなので、広い大浴場に一人で入れるようになりました。成長を感じます。

夕食はバイキングスタイル。 和食コースだと偏食のある渡には難しいこともありますが、バイキングなら好きなものを選べるのでストレスフリー。

終始ニコニコと食べていました。 私は誕生月ということで、お酒のプレゼントをいただき、感激!

夜は香穂と二人で語り合い、お腹が痛くなるほど笑い転げて……。 山形の夜は、楽しく更けていきました。

東京探索

今日は香穂が早朝から北海道へ向かうため、朝5時起き!ホテルのバイキングでしっかり朝食を済ませ、お姉ちゃんはあっという間に機上の人となりました。

さて、残された私と渡。渡の今日のお目当ては、昨日見つけていた「クリスピー・クリーム・ドーナツ」です。 今、日本ではポケモンとコラボ中らしく、お目当ては「ヨッシー」ならぬ「マリオ」コラボのドーナツ。

実は昔、アメリカでスヌーピーのコラボドーナツを買いに行ったことがあるのですが……。 出てきたのは、

「スヌーピーをハンマーで3回叩いて、ブルドーザーで1回引いた」ような衝撃のビジュアル(笑)。

3歳児が見たら泣き出しそうな代物でしたが、そこは流石の日本クオリティ。

見てください、この完成度!しっかり可愛く、渡も無事にゲットできました。

続いての目的地は、渡熱望の「ポケモンセンター」へ。

「ここで大散財するのかな?」「大きなぬいぐるみを買われたら持ち帰りが大変だな……」なんて私の心配をよそに、渡が選んだのは…… なんと、「ポケモンのお茶漬け」と「ふりかけ」のみ!! どこまで小市民やねん……!と思わず突っ込みたくなりましたが、彼らしい堅実なチョイスにほっこりです。

お昼はラーメンストリートへ。 渡の「一番空いている店がいい」という潔い基準で、ベジソバでも有名な『ソラノイロ』に決定!

渡は王道の醤油、私は辛いもの好きとして刺激を求めて一杯頼みましたが……

残念ながら、全然辛くなかった(笑)。でも、味はバッチリでした!

そして午後、ついに私が行きたくてしょうがなかった場所へ。

「三省堂書店 神田神保町本店」!

「いったん、しおりを挟みます」という名コピーと共に一時閉店してから4年。3月19日に待望のリニューアルオープンを果たした姿を、ついに拝むことができました!やった!

とはいえ、ここは1時間やそこらで満喫できるような場所ではありません。旅の後半に一人になれる時間があるので、その時にじっくり「本の聖地」に溺れようと思います。

なんだかんだで、香穂が北海道から帰ってくる時間に。 渡はホテルに戻ると「スーパー銭湯」へいそいそと出かけ、さっぱり綺麗になってお姉ちゃんをお出迎え。 空港で見送った時は少し不安そうにしていたので、再会できて本当に嬉しそうでした。

夜は渡の強い希望で「くら寿司」へ。 娘と「まあ、お腹いっぱいにならなかったら後で別のお店に行こうか」なんて話していましたが、いざ入ってみると店内が面白くて、結局家族みんなで大満足!

初日から飛ばし気味ですが、明日はどんな出会いがあるかなー。 日本のパワーに圧倒されつつ、親子3人の旅は続きます!明日は、山形へ向かいます。

娘、日本の満員電車の洗礼を受ける

成田空港に到着した私たち。そこから次なる目的地、羽田空港へと向かいます。明日の朝イチの便で娘だけが北海道へ飛び、友人と会って日帰りで戻ってくる予定なのです。

羽田への移動中、品川駅で降りてお土産を物色した香穂。「可愛いのがたくさん買えた!」と大喜びでしたが……。 ところが、ここで予期せぬ事態が!京急線が遅延していたのか、あるいは間引き運転だったのか、車内は凄まじい激混み状態。生まれて初めて東京の「ガチな満員電車」を体験することになった子供たち。

せっかく買った可愛いお菓子たちは、無情にも「人間すりこぎ」にかけられ、箱は無惨にひしゃげ、中身は原型を留めないほど粉々に……。可哀想すぎる……。 ホテルでその姿を眺めながら、香穂は「日本で働ける気がしない」とポツリ。それでも最後には「さあ、食べよう!」と、家族みんなで粉々のお菓子を突っつきました。 一方の渡は、ただただ呆然とするばかり。どうやら頭の中で、この出来事を「なかったこと」にしようと必死に現実逃避していたようです。

さて、ホテルに荷物を置いた後は、渡が半年以上も熱望していた「丸亀製麺」へ。 やはりアメリカとは味が違います。私も常々思っているのですが、アメリカの丸亀は粉の鮮度が少し違う気がするんですよね。 うどんを食べ終えると、すぐに部屋に戻りたがる渡。私と香穂はもう少しのんびりしたくて、お店を変えて、稲庭うどんをいただきました。

驚いたのは、羽田空港のレストランの早じまい。ほとんどのお店が夜8時30分にはラストオーダーで、もたもた選んでいるうちに次々と閉店の看板が……。なんとか食べられて本当に良かったです。

明日は娘が朝イチで北海道へ。私と渡は東京で過ごします。 波乱万丈で、疲れ果てた1日でございました。