自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

あけましておめでとうございます。

みなさまあけましておめでとうございます。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

西海岸は、日本より17時間遅れてのあけましおめでとうでございました。

娘が1月2日から仕事にもどるために、12月31日からおせちを食べ始めてずっと食べ続けた年明けでございました。

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こんな料理や、

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こんな料理もならび、しこたま、日本酒もワインも飲んで、ヘベレレになり。無事に新年を迎えました。

さて元旦は、香穂を空港に送らねばならず、空港に向かいます。その前に地元の美味しいハンバーガーでも....。ということで、

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行ってきました。これは、2AM Burger

目玉焼きが入るおいしいハンバーガーです。がっつり食べてから、空港にお姉ちゃんを落としに行きます。

渡は寂しそうですが、

またお金を貯めて、ロサンジェルスに向かうからね。また一緒にディズニーランドに行こうね。お姫様に会おうね。

と必死でお願いしておりました。

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いやー。食べまくった年末で、渡もすっかり横幅が大きくなりました。

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いい時間を過ごせました。みなさま、ありがとうございます!今年もよろしくお願いいたします。

さて、私は明日から仕事始めですが、ブログを読み返していて、驚いたことに、私は2年前にあった医療ミスの話をブログにきちんとあげていない!ということがわかりましたので、新年早々なんですが、医療ミスで死にかけた話を明日から少しあげていきます。

サンノゼ豆腐の閉店。西海岸の昭和史がなくなってしまう...。

私の住むシリコンバレーには、サンノゼ豆腐という日本でも珍しい昔ながらの製法で作っていた豆腐がありました。

戦前から続く3世代のこのお店は、一時期、1代目の借金でお店の経営が危なくなったこともあったのですが、当時の大手日系銀行の店長が、

この豆腐がなくなったら、日系のコミュニティが破綻する。この豆腐はなくてはならない。

ということで、豆腐を担保にお金を貸し、盛り返したというストーリーがあります。

昔は、遠くはサクラメントから当番制で片道2時間かけて、みなさんがやってきて買いに並んだそう。

私がここにきた頃からも、よくいただいていて、お昼過ぎには売りきれということもありました。

けど、だんだん時間が経つにつれ、町には

「本当に美味しい手作り豆腐」

を食べたことがない世代がどんどん増え....。

豆腐もどきの大量生産の豆腐が「豆腐です」という顔をして出てきました。人間の味覚なんていうものは、その豆腐に慣れてしまうとそれが正しい豆腐になってしまいます。

うちの娘は生まれた時から離乳食もサンノゼ豆腐で育ったもので、大学受験が終了し、希望大学に全て合格した時も、お祝いの食卓には、サンノゼ豆腐がリクエストでした。期末試験が終わって、卒業試験が終わった時も、いつも食べ物のリクエストはサンノゼ豆腐でした。大学院の卒業の時もリクエストはサンノゼ豆腐。

今回も行きたい会社に就職が決まり、9月にはバタバタと家を出て行き、12月の帰省時は、好きなものを家で食べようね、と話していたのですが、やはり返事は「サンノゼ豆腐が食べたい」でした。

11月に、サンノゼ豆腐の方に

「そろそろ年末の予定って出ていますか?娘が帰って来るんですが、どうしても豆腐が食べたいらしくて」と話すと、クリスマスの次の日から、大晦日前の金曜日も開いているよ、とのことでしたので、ほっとしていたら、サンノゼ豆腐が閉店するというニュースが。

今年の一番悲しいニュースでした。

San Jose Tofu Co. to close, ‘a gem, a landmark’ in Japantown

最後の日が近づいてきたので、香穂と一緒に1時間半の列に並んで、おばさんにしっかりと挨拶をしてきました。

買わせていただいた豆腐とおから。もうこのおからは食べれないだねと香穂と話しながら、おからのクッキーを大量に焼きました。

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これを冷凍にして少しづつ食べようと思います。

サンノゼ豆腐の方達、長い間この北カリフォルニアの日系社会を支えてくれて、ありがとうございました。

社会貢献が少しでもできれば、自分を自分で追いやることもなくなるのではないか?ということを自閉症の息子から学んだ今年でした。

そろそろ今年も終わり。今年、自閉症の息子から学んだこと。人間、助けられてばかりだと、ちょっとせつなくなるんじゃないかな?ということ。

渡は重度の自閉症で、親としては、親なき後、どうやって彼が社会の人たちの支援を得ながら行きていくか?ということに重点をおいてしまうのだけど、今年は息子が長年続けているボランティアに力を入れたがっていたことから、いろいろ学びました。

人間としてうまれてきたからには、100%他人様から支援を受けるばかりでは、自分の人生を生きている、自分の人生を楽しいと感じることが難しいんだなということ。助けていただいたら、その100%を返すことは無理だとしても、たとえ1%でもいえ、たった0.01%でも、少しでもいいから、社会に返したいと思うんだろうな、ということ。

そのことによって、自分の生きがいというか、社会に存在していい、というか、喜びを感じるんじゃないかということ。そういうことを自分の中で考えることができるんじゃないかと。

どうしても障害者支援というと、必要な支援ができているか?に、周りの大人は目がいってしまうのだけど、渡だって社会のためにお役に立てることがあるのなら、頑張りたい、と思うことで、社会での居場所を感じることもあるんじゃないかな?ということを学びました。いやー、小さい時から、このことは私の課題で、息子ができるボランティアをさがしてきて、できるものからやっていたのだけど、今年の息子をみていて、一本筋の通った社会貢献を彼なりに、必死でやっているということを認めることができた年でした。これは数年間息子が1日たりとも休まず、雨の日も気温が40度の日も片道2時間半かけて通ったボランティアを続けきた彼の信念から学びました。親バカなんだろうけど、これはこれで母なりに嬉しく学びました。

実は、どんな人でも社会貢献ってやってるんですよね。「あなたの笑顔をみてるだけでホッとする」という人がいれば、それだってその笑顔が人様にたいする社会貢献。息子は飢餓撲滅ということに重点を置いていたけど、これはこれで彼のライフワークの一部なんだろうなぁということは、なんとなくわかった母でした。けど、たぶん、完璧には彼の気持ちは理解できていないんだろうな。だから、どんな男の子でも思春期になって「母、うぜー」って思うことがあるんだろうな、と思うわー。

これって、なんか、思春期の息子をもったみたいで、それはそれで楽しいじゃない?いやーこれをブログに書き込んでいることで、「かーちゃん、うぜー」と思ってるだろうな。まぁ、それも会話ができない知的障害をもった子供を授かったから、遅ればせながらでも体感できて、いいかなーと。思春期なんてこないんじゃないかな?と思ってたし。

さて、今年もそりゃーいろいろあった年でしたが、とてもいい年でした。来年も頑張っていい年にしたいな。みなさま、今年もお世話になりました、来年もよろしくでございます。

渡のお姉ちゃんの帰省の成果

香穂の帰省。我が家にワイヤレスのプリンターが装着され、見れなかったケーブルテレビが見れるようになりました。モデムというか、ケーブルボックスが機種変更されていたらしいので店まで行ってくれて交換して装着。けど、この交換がクセもので、やはりうまくいかず、数時間、ケーブル会社に文句を言い続け、無事にテレビが見れるようになった。アメリカあるある...。なので、母は、放置しておいたわけだ。けど、香穂は

朝のニュースが見れなかったら、テロが起こっていても、ゆみちゃん(娘は私を母と呼ばない。詳細はわからないが、どうも母と呼ぶほどきちんとしていないからみたいだ)は、わからないから、家で待機させず、そのまま渡をプログラムへと出してしまうんだよね?それ、危ないだろうが!!

ということで、受信料を払っているんだからと、テレビがみれるように、交渉開始をしたようです。アメリカあるあるで、テレビがみれるようになるまでたっぷり4時間かかりました。

さらに、渡の進路が決まり、香穂の帰宅後から渡の着る服が少しかっこよくなって、髪の毛もカットされ、バッチリと朝にグリスで固めてセットされるようになった。で、母のお財布は少し軽くなってしまった、という話。帰省終了まで後5日。働きまくる娘でした。彼女に休みは来るのか??

さて今回のお姉ちゃんの帰省のメインイベント。渡の来期の打ち合わせでございます。

自閉症の渡の打ち合わせ会議。本来は11月に行われるのだけど、香穂が参加したいということで、成人として渡を支援することが決まった香穂の参加。

来期の渡のスケジュールなどを話し合うのだけど、ほぼほぼ渡の希望が通った。母は、母亡き後の渡のことを考えて、遠慮がちに意見を言っていたのだけど、帰省して会議に参加する娘の鶴の一声。

そんなの今、心配してても意味がない。20年後のアメリカなんて、バカな大統領になってしまっていたら、渡の未来なんてどうなるかわからない。その時々に、臨機応変に渡の意見を聞きながら考えた方が有効。それよりも、今、渡が渡らしく生きる日々を考えるべき。

ということで、納得。私の望むところです。

たしかに私が死んだ20年後の渡のことを、今、私がいくら準備しても、それは時代遅れだったりするわけだし、渡の気持ちも変るかもしれないし、アメリカの制度も変わるわけだ。ということで、遠慮がちに意見していた私は、渡の意見をはっきりと通すことに決定。たぶん、「チーム渡」から一名脱離していただくことになる模様。ねーちゃん、ずばっと切り込んで、強し。渡は、希望通り、社会の一員として、活動する時間が増えそうで、個人でできる勉強の部分は、自分で責任もってやる時間が増えるようだ。成長の一歩です。これも、渡の数学を教えられる人が少なくなっていることもあるので、納得な私。数学を教えられる人に渡が

自分で聞いて、時間のロスなく、こころゆくまで学びたい。

という渡の希望も満たせて、嬉しい結果に頬ゆるむ母でした。

クリスマスに何をしたか?というお話。アメリカ人のお宅のクリスマスはこんな感じでございました。

クリスマス当日でございます。アメリカは日本の元旦のように道路も空いて、お店もほぼほぼしまって、街が静まりかえります。こうなると、昔のシリコンバレーを思い出して車を出したくなる私。道がガラガラで、どこでもいけます。本日選んだところは、サンタクルーズ。海が大好きな渡に海を見せてあげて、香穂が釣りをしたいというので、釣りもできるところ、まずは、元旦であろう、クリスマスであろうが空いているデニーズで朝ご飯。

昔はおおきなマグカップになみなみとコーヒーをついでくれたのだけど、そういうこともすっかりなくなって、カップが小さくなってしまって、取っ手のところの大きさだけは同じで、アンバランスなマグカップになったデニーズ。

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世知辛い...。

なんともいえない、出来損ないの野菜の炒め物が鉄板の上にのってくるこの料理が大好きな私。

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全然クリスマスっぽくない。

デニーズでお日様がでてきて、周りが暖かくなり、水温が上がってイワシが出てきそうな時間まで時間つぶしをしながら、香穂とどうでもいいような話しをして笑い転げる私たち。

読みはしっかり当たって、つれまくるイワシ。渡も大量でございました。

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家にもどって、このイワシで南蛮漬けをつくり、次の日の朝ご飯の準備をする私たち。夕飯は、お呼ばれしたので、そのお宅にも持参。

さて、クリスマスのご飯でございます。お呼ばれしたお宅でいただいたものは、これ。

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何キロあるんだよーー、と言いたくなるお肉でございました。あー幸せ、幸せ。

クリスマスイブに悪い子にお仕置きをするサンタがやって来ないようにと祈る渡

クリスマスイブですが、私とお姉ちゃんは、渡の会議の話で盛り上がり。本当は11月に渡の来期の打ち合わせをする予定でしたが、お姉ちゃんが帰省して出席するということで、延期が決定。

私とお姉ちゃんは、ほぼほぼ意見が合いました。

さて、渡へのクリスマスプレゼントも用意して、あとはKrampus(クランプス:赤いサンタのあとについてやってくる悪い子供にお仕置きをする怖いサンタ)が来ないように祈るばかりの渡です。このサンタです

D

Merry Christmas!

渡は、イブというのに、会社のカーペットクリーンをしてくれました。ありがたい!

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丁寧なお仕事なので、大変助かります。

開発リーダの髪の毛に白髪が1本あったために、婚期が遅くなるという話

先日、ひとつ大きな仕事が終わったので、ワインを会社でみんなでワイワイ飲んでいたら開発リーダーが

すみません。後頭部に1本だけ白髪があって気になるので、切ってもらえませんか?

とハサミを持ってきた。

今の時代、結婚しなくても家族がいなくても困ることはそんなにないけど、こういうのは、たしかに一人暮らしだと困るなと思った。

ふと、白髪を切ってあげて開発リーダーに

やっぱりさー。一緒に住むパートナーがいたらさ、こういうのもしてもらえるんだよ。考えたら?

ということを説得してあげようと思った。立候補者もいるので、紹介もできるし…と思い…..。

なので張り切ってハサミを持って切ってあげたら、なんと、ワインを飲んで少し酔っていたので、全然違う場所の黒い髪の毛を200本以上切ってしまって、肝心の白髪は切れずじまい…。リーダーは、

えっ?どうしてこんなに黒い髪の毛を切っちゃったんですか?えっ?結局、これだけ切ってもたった1本の白髪は切れてないわけですか?あぁ...僕のセーターが毛だらけになってしまっている!あっ、もういいです。自分でやります。ありがとうございます。

と器用に自分で後頭部の白髪を切っていた。

このままだと、どんどん一人暮らしの期間が伸びそう…そうなったら、原因の一端は、私のヘアーカットかも…。と思った。まーどれだけ切っても、リーダーの毛は剛毛で多いので、間違ってたくさん切ってもバレないだろうから、

私のうまいヘアーカットでよかったでしょう?

と言えたので、よかったよ。

自閉症の渡の社会貢献

渡が、飢餓撲滅のボランティア先からクリスマスだということで、お礼のものをもらって帰ってきました。感謝の言葉が書いてあるカバンと中身のお菓子や、乾燥止めのクリーム。石鹸などなどです。

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ここのボランティアを開始してかれこれ5年。40度の気温でも、大雨が降っても、嵐がきても氷点下になっても、一度も遅刻せず、朝の暗くて寒い6時には家を出て片道2時間半かけて通い詰めました。今年から、送迎車が出ることもあって、朝はのんびり眠れて、帰りも送ってくれるようになりました。週に3回行っていた年もあるし、週に2回の時もあります。

大学と仕事を両立させながら、ボランティアも通うっていうことを大学生の人たちでもどれくらいやっているのだろうか?と思いますが、渡はどれもほぼお休みなく通っているので、普通の大学生なみに頑張っているなーと思っていたところでした。

この場所の方達は、渡のことを認識してくださっているので、週3回通っていた頃は、ボランティア先のボスのようになり、部下がいたという...。部下としてはボスが自閉症って大変だなと思うのですが、渡のすべきことはルーティーンになっているような仕事を新しい人にゼスチャーで教えるというものです。さらに同じボランティアメンバーが、困っている時には、すぐに助けるということ。これはお得意。

渡は、うまくいかなくても怒って他人様に八つ当たりするとか、そういうことがあまりないので、黙々と助けているので、女の子たちには、喜ばれるらしい。

渡の長いボランティア活動を見ていて思うのは、誰だって社会のために役に立つことをするのは嬉しいということです。社会のためっていっても、別にすごいことをしなくても、子育てしてるお母さんが抱えている赤ちゃんが落し物をしたら、拾ってあげる。これだってお母さんにしたら、嬉しいことだと思います。小さなことでも人様が喜ぶことをするのは、嬉しい。障害があってもこういう人様の喜ぶことができる場所を与えてもらっていることに感謝です。

さて、このプレゼント。渡は全て私にくれました。配れといいます。どうも自分がお世話になっている人たちに配って欲しいらしい。たくさんの人にお世話になってるので配ると少しになりますし、小さなもので、配られる方もこれくらい自分で購入することができる方ばかりです。けど、渡は、みなさんにプレゼントを買うようなお金もないし、気は心なので、すこしづつ配らさせていただきます。みなさま、ありがとうございます。今年も無事に1年が終わります。

忙しい年末

さて、今年の残すところあとわずかになりました。うちの会社は、日本の会社ともお付き合いがあるので、日本の会社の仕事納め前の追い込みにお付き合いすることもあります。アメリカの会社はもうほぼ仕事納め。なので、バタバタと忙しくしております。

さらに2件の仕事以外のことで、手間が増えているというお話。

一つ目は、お姉ちゃんが、明日の深夜便で帰省するという件。さらに、明日は、会社のビルで会社ごとのクリスマスプレゼント交換があるので、仕事以外にもバタバタしている私。

まずは、明日の深夜便で帰省するお姉ちゃんのお迎えを渡に、一緒にいくか?と聞いたら、行かないという。自分が前回のディズニーランド旅行で熱がでたのは、夜遅くまでおきていたからで、 夜の10時に寝れば、絶対に熱が出ないと思い込んでいるので、空港へのお迎えには、死ぬほど行きたいけどいけないという....。自閉症あるあるの思い込み。5歳児レベルの精神年齢の息子に「”ビビデバビデブー”の魔法で、ママが熱が出ないようにしてあげる」というと、なんでも信じてしまうので、伝えるのは簡単だけど、一度使ってしまうと、ずっと「ビビデバイデブーの魔法を使え」と言われそうで、使えない...。シンデレラに出てきた魔法使いは、簡単に使っていいよな...と、うらめしく思う私。

2つめの会社の入居ビルのプレゼント交換。40年間このビルに入居しているという会社も複数いて、その人たちの中に入れてもらったので、仲良くさせてもらっています。

今時、田舎じゃないとありえないような仲良しのビルなので、プレゼント交換には、必ず参加するのですが、うちの会社は、毎年私と開発リーダーでよりすぐるワインがプレゼントです。今日、ワインを買いに行ったのですが、なぜか入居会社数よりも、2本多い買い出しになりました。なぜだろう?たぶん、私の幸せのためだと思うわ。へへっ....。