自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症の渡の新たなお仕事

渡の今のお仕事はデータ入力なのですが、あらたに最近新しいお仕事を開始しました。これがグラフィックエディターのアシスタント的なお仕事です。どのようなことか?というと、たとえば、アイコンや絵や写真など、サイズの変更ということはあることですが、コンピューターだけで自動変更すると絵があらくなったり、バランスが悪くなったりします。これを手動で、背景を伸ばしたり、バランスをとりながら形を変えたりする仕事です。意外に、これはニーズがあるらしく、結構な量があります。

「地道で地味。」大事です。

少しの間違いがあると、かすかに白い線がはいったり歪んでしまったりになります。これを正確に訂正していってサイズを直したりします。

もう地道だしすごーーく地味。行う量も大量。こういうのは大好き。ずっとやっております。

よく

自閉症児・者になにか教えるのが大変。手間がかかる。」というのを聞きますが、これ、逆です。しっかり彼らがわかるように教えたら、あとあと手間がかかりません。何年も手間がかからなくなります。暇だとどうしていいかわからないので、いろいろな行動の問題を起こしますが、何かしている時は集中しているので、問題をほとんど起こさないのが自閉症。さらに好きなことは集中してやるので、周りは手間がかかりません。

好きなことを観察して、周りの人ができることを考える。

各いろいろな専門分野の人に考えてもらう、ということは非常に大事なことです。やってはいけないことは、

「障害児教育に携わる大人だけ(家族など)でその子の職業を考える。」ということ。先生などの仕事の方は障がいを持つ人の行動や生き方、教育などをみてくださって、もうそれはそれはすごい仕事の方たちです。これだけでももう眠れなくなるほど大変なお仕事です。なので、お忙しい先生が、グラフィックデサインの仕事をしていたり、コードを書いたりして食べて行っているわけではないのです。教職員なのです。ゆえに、教職員と親だけで障がいのある子の職業をきめてはいけない理由は、専門職と言われるお仕事のほうが、隙間的な仕事が発生しやすく、緻密で他の人がやると飽きてしまうような仕事を現場の人たちがよく知っているからです。

自閉症ってなに?がもっともっと社会に理解されて、

「あぁぁ!自分の会社にもそういう緻密なんだけど、みんなは集中できないから、嫌がる仕事があるんだよね」というようなアイデアがどんどんでれば、彼らの集中力ってもっと社会の役に立つ気がします。