自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

久しぶりに号泣した本

久しぶりに本を読んで号泣しました。

facebookで大阪の特別支援学校の先生が教えてくださったので、帰国時に購入。一気に読みました。読んでる間に、何度も何度も涙で本が見えなくなって、拭いながらの読書。久しぶりにこれだけ泣いた。

なぜ涙がこぼれるかと言うと、余に不条理な「学校」の統一性のシステム。たしかに、時代も時代ですが、まだこういう思いをしている子供がいるということ。今だに見かけます。親が、

  • なんかおかしいとは思うのだけど、先生が大丈夫っていうし。
  • 怠けてるだけだって、先生が言うのよね。

とか、親が教師のいうことを丸呑みする環境の切なさです。この作者の方がそういう対応を受けているところから、40年経った今でもその環境は見かける事があるという事実。まだまだどこでも散見されます。教師の意見に親が自分の意見を100%言えない状況。教師とチームをくめない環境。どうしても上下関係になってしまう教育システム。モンスターペアレントもその逆で、やはり上下の関係ですよね。

力が子供のためではなく、無駄な方向に向いています。その力が本当に一丸になって、子供を育てる、この子の得意部分をのばす、育む、になっていれば、子供が安心して生活し、成長できる場所になっているはずです。

いい先生だって、プロフェッショナルな人だって、母親だって

「知らない事」

はあります。

たまたまディスレクシアを知らないということをのぞけば、すばらしいと言われる先生もいるでしょう。

そういう谷間に落ちてしまった少年がひとりぼっちで戦った。クラスを必死にまとめようとする先生達。まとまる事が難しい、発達障害と言われる子どもたちの姿が見えてきました。

親だって、命掛けて子供を産んだら、なんでもかんでも全て偉くパーフェクトにできる訳ではありません。

ただただこの本を読んで幸せな事は、この作者の方が自分の体験を本で出してくださった事。語ってくださった事。身を削る様な思いで、本当に力つきるくらい、力を使って、書かれた本だと思います。本人の気持ちは本人が口を開かない限りわかりません。

奥様も最終章を書かれておられますが、教師という立場でこの本にある事に向い合う事は彼女としては、それなりの覚悟も辛さもあったと思います。

いい御本を出版してくださって本当にありがとうと思った本でした。おすすめです。