自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症の渡の~男はつらいよ~

渡のお友達で高校を卒業する子がいました。その子から、卒業パーティにおいで!!という招待状をもらった渡。渡はその子のお母さんに小学生の時にあったのだけど、なにかと優しくしてもらったこのお母さんの事が大好き。もちろん参加希望です。

ところがこの日は、私はどうしても仕事から抜けれずの日。なので、引率&運転ができない。悲しむ渡。そんなところへ天使のお姉ちゃんが登場。渡に

じゃ、渡。私がつれていってあげようか?

もう「お姉ちゃんの言うことなんでも聞きます!!」状態の渡は狂喜乱舞。

さて、卒業パーティ当日がやってきました。ご自宅で行われたこのパーティ。参加すると、もちろん高校生のかわいい女の子達もこぞって参加です。

自他ともに認める美女好きの渡。可愛い女の子を2名発見。どうにか、このかわいい女の子の隣にすわれないか?と必死。なにげなく、可愛い子の横の席が空かないか?と様子をうかがっていたそう。すると、チャンス到来!可愛い子の隣があいた。慌てて、無言で座ろうとする渡。お姉ちゃん、激怒。

渡、人様の隣に座る時は、「隣に座っていいですか?」と聞かないと!!

と英語で思いっきり注意されたそうだ。渡も女の子に嫌われたいわけでないので、

おぉぉぉ!!そうか、隣にすわるには、そういうルールがあるんだ。

と理解。けどお姉ちゃんは、どうせ聞いても断られるさ。社会は厳しいんだ。と思っていたそう。ところが、渡のお友達のパーティなので、渡のことはなぜか、多くの人が知っていたそう。渡が

隣にすわっていいですか?

と聞いた女の子は、渡のことをなぜか知っていて

渡!!もちろんよ!

と言い、渡は無事に隣の席を確保。座ったところでなにか話せるわけもなく、なにかするでもなく、ただただ幸せな笑みを浮かべる渡。こんな感じ。鼻の下のびてます。

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彼女の名誉の為に顔はかくしました...。

お姉ちゃんとしては、これだとアメリカの男の世界は大変なんだ。努力が必要なんだということを学ばないなーー、困ったな、と思っていたそう。

すると今度は、渡がもう1人の気に入っていた子の隣が空いた。あわてて、席の移動を試みる渡。次のかわいい子のところに行き、今度はすごく自然に

隣にすわっていいですか?

と聞けたそう。お姉ちゃんは、ここでまた「いいわよ」と言われたら、社会を嘗めてしまうんじゃないか?アメリカ男性の努力の意味がわからないんじゃないか?と思っていたらしい。ところが意外な事に今回もスムーズに

もちろんよ!!どうぞ、座って、座って!

と歓迎されて言われた渡。渡もう満遍の笑み。それをみていたお姉ちゃん。

駄目じゃん。これじゃ、アメリカ男性の苦労が解らない。やっぱり社会を嘗めてしまう。

と思っていたら、「もちろんよ!座っていいわよ!」と言った子が、渡が隣にすわったとたん、すっと席を立った。

これにはお姉ちゃんも笑いをかみ殺すのに必死だったそう。

私もこの話には笑った。そうよね。人生ってそんなにうまくいかないのよ。そんなにうまくいけば、アメリカの男性陣は苦労はしないわけで。

私が娘に、

やっぱさー、渡は嫌われちゃったわけ?

と聞いたら、

ちがうよ!その可愛い子が立った後には、ちゃんと女性が座った。なので、渡はずっと女性の隣には座れていたんだよ。

なーんだ。じゃ、全然おもしろくないじゃん。学ばないじゃん。

と思っていたら、お姉ちゃんの非情な説明は続く...。

だからさ。なぜその可愛い子が席を立ったか?が問題なんだけど、実はその子の前には、遠くから杖をついた90歳以上であろうおばあちゃんが歩いて来たんだよ。渡が横に座ってもいいよ、というような優しい子でしょう?おばあちゃんが、彼女の席に近づいた瞬間、彼女は席をたち、おばあちゃを介ぞえしながら、自分の席に座らせたわけ。なので、渡はちゃんと女性の横に座り続ける事ができたけど、女性の年齢がすごく上がったっていうこと。

ごめん。渡。吹いた。

やっぱ、男性って大変なのよ。渡!!思った様にはいかないさ。