自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

厳しいアメリカの大学での学生の行動

大学のアポイントメントが取れたので、説明を聞きに行ってきました。渡は手術後で薬が効き怠いので、自宅に居たいというので、自宅待機。私が行ってきました。渡は数学を引き続き学びたいというのがリクエスト。

訪ねた先は、障がい児のサポートをしてくれる部署。かるーーい気持ちで聞きに行ったのですが、本来大学は「成人として責任をもった行動が出来る人が来るところ。」だそうです。

なので、18歳になると、母親が代理で話を聞くというのは駄目だそうで・・。今回はまだ渡が18歳になってないこと。さらに手術の後なので、私が代理でということにしてくれました。

行動や責任に対しては非常に厳しいアメリカの現状。

私は、「渡には夢がある」と話して渡の夢を伝えました。

カウンセラーの方は

「夢があるのは素晴らしい事」

と、すごく喜ばれて、話を聞いてくださり、いろいろなサジェスションもしてくれました。

プログラムに対しては非常に柔軟で、渡が取れそうなクラスや大好きな数学のクラスも取れそうです。

単位もどうしてもこれだけこの年度に取らないと・・と言うのがある訳でなく、渡のペースでとればいいそうです。だから

アメリカでは仕事の後に大学に6年とか8年とか10年とか通って学位を時間をかけて取る人がいるんだ!!感動。

けど、厳しいのはルール。たとえば、渡は補助の方が必要な訳で、

「いい人がいない場合、私がついていってもいいの?」の問いに大学側の答えは

"No"

親はあくまで親で、その子供と18歳になったら別に行動すべきだということだそうです。ひぇぇ~~。けど、そのかわり、ノートをとってくれたり、宿題を記入してくれたりするサービスはあるし、大学側との交渉で認められれば、補助はつけてもいいそう(親以外ということですね)。

渡は移行期なので、成人への移行期の補助は認められるそうですが、親は補助員ではないので駄目だそうです。


さらに、大学の生徒の心得みたなものはカリフォルニア州でもあり、それに反すると、やはり退学や停学はあるそうです。

たとえば、他人の勉強の妨害をしたりするのは駄目。授業中に私語は駄目だということです。だから、アメリカの大学は私語がないのねー。渡なんてつぶやきが多いので、渡が退学になるとしたらこのあたりがネックかも。

やはり、自閉症児が大学に行くためには、小さいときから、行動をしっかりと責任持てるようにすべきのようです。

さらに渡に関して言うと、たとえば、渡のように、お手洗いをみるとすごく尿意を催すようで、入る前にベルトを外し始めてしまう。こうなるとこれは、アウト。きちんと男子トイレにはいってからベルトをとらないとセクハラになるということだったり。だから小さいときからベルトをはずしていいのは、自室とトイレとしつけておかないと、これは大きくなって母親が男子トイレに入って指導はできないので、小さいときから指導される訳です。


体育の着替えも決められたところできちんとしないいけません。めんどくさから校庭のすみでささっとーなんかも許されないので、これも着替えは、小さいときから日常的に自室でをきちんとし、

「着替えは公共の場所ではしてはいけない。」と教えておくと、大きくなってから、とっさでも服を脱いだりしない訳で・・。


勉強ができないのは大きく問題ではなさそうです。だって大学は勉強するところだから。

けど、やはり問題は、行動のルールを守れるか?です。

自由な単位の取り方などは、とても渡には向いていますが、行動に問題が多い渡は、結構厳しい大学生活になりそうです。けど本人が決めた進路に向うのが一番ですので、よくよく渡に聞かねばなりませんね。


さてさて、あとは、どのようにIEPのチームメンバーに渡が大学にいくことを認めさせるか?です。

彼らは、自閉症の渡には、職業訓練がなによりも大事という考えです。私の意見は、普通の大学生だって、バイトと勉強する訳で、渡も勉強と働く訓練の両方をする権利があるんじゃないの?と思います。

人生を渡よりは多く歩んだ私の思う事は、やはりどの年齢でも「学ぶ」という姿勢と努力は大事だと思うからです。

さて、私も渡もしばらくは忙しい時間が続きそうです。

渡自身はまだほっぺたの腫れて本調子ではありません。凄いことは看護婦さんから

「薬をきちんと飲んでね。」

と言う指示にしたがっている事。私が

「お薬、飲まないといけないねぇ。」

と言うとまったく反抗しないことです。前までは、とりあえず、

"No."

と言っていたのですが,必死で水のボトルを握りしめながらアメリカの大きな錠剤を飲み込んでおります。

これだけでも充分大人の行動だと思うんだけど・・。(笑)薬のむのがめんどくさいとかいろいろ理由つけて飲まない大人もいるしねぇ。(←もちろん私もその一員ですが)

早く腫れが引いて日常にもどるといいね。