自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

脅威のアメリカの大学の落第率

香穂と久しぶりに長話をしました。現在大学3年生。2ヶ月ほど前に大学に行ったまま。電話もメールもなく。いったいどうしてるんだか・・と思っておりましたが、忙しいのは承知なので、まー忙しいんだろうとほおっておきました。

久しぶりに連絡があったのでめずらしく長話に。今、授業で日本歴史を取っているそうで、わからない部分の説明もしたりしていました。日本歴史を英語で取るっていうのもなんだか違和感の私。「徳川」の発音も先生も生徒もイントネーションがおかしいらしい。自分だけがきちんと発音できるんだと言っていました。日本歴史は大嫌いだった香穂なのに、おもしろい。

彼女は現在舞台芸術学科にいます。学部としては、シアター学部になりますね。

彼女の一日のスケジュールは、朝7時に起き、大学に行く準備をして8時くらいから授業。4時まで大学の授業などをこなします。(ここまでは割と普通の学生。けど空き時間でなるべく宿題に手をつけはじめるそう。)一般授業がおわったところで、夕飯を食べます。次は5時から真夜中11時とか12時まで舞台芸術の実技の勉強だそうです。

12時にお腹減らして寮に帰り、そこから一般教科の宿題が2時間、専門がある時1時間とかかかるそうです。専門最後のプロジェクトが入ると朝4時まで眠れないとかザラにあるそう。なんてハードな毎日。土日もかり出されて、舞台です。

電話してて香穂に、

「なんだか、すごくいそがしそうねぇ。そんな大変なのに、同級生の子達はどうしてるの?みんななんなく乗り切ってるの?やっぱりあなたは、大学に入るまで舞台芸術の勉強はしてないからついていくの大変でしょう?」

と質問したら

同級生?あっ、20人強いたけど16人が退学したり、専攻や一般教科で落ちて他の専攻に変えたりして、自ら専攻かえた子もいたりして。4人になった。で、2人が、2年生に他の大学から受験して編入転校してきたので、合計6人だ。

ちょっと待って。この話すごすぎない?専攻をきちんとまっすぐ進んでるのはたった3割?7割落第・進路変更?あり得ないこの確率。

特に香穂の学年は、とにかく減る人数が多いらしい。20名以上いたのが、たった4人しかいないって凄すぎる。7割がいなくなるなんて・・。だから、ダブルメジャーとか禁止なんだ・・。

香穂の大学の舞台芸術は、特に幅広くいろいろなことを教えるので有名ですが、その分厳しい。香穂はいろいろなことができるというのでこの大学を選びました。けど、 そのために専門の時間がすごく多くとられるので、ダブルメジャー(専攻学科を2つにする)は禁止だそうです。たしかに、そうだよね。このスケジュールじゃできない。こういう理由も入ってか、特に香穂の同級生は、専門学部の変更や大学を辞める子(辞めさされる子?)が多いらしい。

まーこのリスクはわかっていた事のようで、香穂自身はあまりびっくりしてなかった。私は、知ってたら勧めなかったよ。びっくりした。残った友達の写真を見せてくれましたが、みんな根性ありそうな感じ。

「けど、今年の2年と1年はここまで落ちそうにないな。みんながんばってるしな。」

アメリカの大学はハードだとはきいていたけど、ここまでとは思わなかった私。

まー面接の時にも言われたしね。ハードだとは。自分の時間が極端に少ない事も言われてたし。だからさー彼氏や彼女が学部以外にできにくいんだよ。休みないし。学部以外で彼氏、彼女つくっちゃうと、たしかに舞台に残るのは大変かもね。

すごー。同級生6人のうち、彼女はシアター学部にいるか、いないか。のどちらかの模様。

けど、このハードな話は結構学外でも有名なようで、だからペパーダインの舞台芸術というとみんな業界の人たちは知ってるのかも。と言っておりました。さらに編入試験を受ける子も多いそうだけど、合格率はかなり低く。面接などで本当にやり抜けるか?という根性も見られるようですね。そりゃそうだ。はいってすぐにやめられたら困りますのものねぇ。

なんてハードな学生生活なんでしょう。けど、香穂いわく。

「友達がいいからやっていけるんだ。教授もいいし。私はやっぱこの大学で本当によかったと思う。けど、大学を終わったら専攻変えるかも・・だけどね。」

との事。そういえば香穂は一旦始めた事をなかなかやめない子どもでした。忍耐力は、渡と暮らしてるので相当あるのかもしれません。それにしても、いやはや・・・・。なんともハードな香穂の大学の話でした。