自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

手術を受けた夜と術後1日目

手術をうけたきのうは、夜の7時くらいから、突然眠くなってきました。8時頃に外が暗くなって来たこともあり、電気を消してもらって、睡眠体制に。ところが、夜の8時半には、

「立ってみましょう。」

と言われて、立たされることに。体中に管が付いてる私はまるでロボットのようで、立つのも大変。体の5ヶ所から管が出ています。

「めまいがするのかな?」

と聞かれました。あのぉぉぉぉ、眠いのと、普通これだけ管つけられたら、誰だって立てません。

とりあえず、言われた30秒の起立はできたので無罪放免。

さて寝たい。とにかく眠い。横になっていると、9時に血圧をはかりに看護婦さんがやってきました。

ここから1時間おきに血圧を計られることに。入院前に高かった血圧も無事に下がって来ています。どうも腫瘍が静脈を圧迫して血圧をあげていたようだ・・。


うとうととして起こされるの繰り返しでも、渡が小さいころに比べれば、立ち上がって、走らなくても言い訳で、よく眠れます。小刻みの睡眠を取るのは、睡眠障害を持つ渡を育てたおかげで、私は得意なのかもしれない。

自分で、

「すごいなー私。」と感動していたが、朝の5時に想像を絶することが。

なんと

「採血」

実は、私は針の痛みが一番苦手です。胃痛や、ドシンとした痛みは耐えれる方ですが、針がどうしても駄目。

入院する時に点滴の針を入れられる時も

「痛い!」

と叫びました。看護婦さんは、

「これで最悪の事は終わったので、あとは大丈夫よ。」

と言われた通りでしたが、採血の針も私は苦手です。

朝の5時に針を刺され、完全に起床状態の私。これは駄目です。眠れない。

そう思っていると5時から、すこしづつ体の管がとれてゆきます。

まずは、足のマッサージの管。これは、両足に血液がたまらないように、ひざから下にまかれたもので、術後数秒単位で圧力をかけてきます。マッサージみたいで結構、気持ちよかったのですが、これを取られました。

6時には、尿管を取られます。6時半に、酸素の管を取られました。

7時には、点滴の管を取られて、これで晴れて管がなくなりました。

さて管がとれたら、歩行です。

男性看護士さんが

「歩けますか?」

というので管がない私は、

「歩けます。」

と答えると、

「じゃ長く歩きましょうねー。」と言われて、病院中を男性看護士さんと歩くことに。

「私、たぶん、走れる。」と思ったけど、言うと驚かれると思ったのでそれは言わずに看護士さんと院内を歩いたら、看護士さんの過去の恋愛話を聞かされました。一方的に話す彼。

自分はフィリピンからやってきて、学校に入った。

看護学校に通っている時に、自分は、日本人の女の子を好きになって、その子の名前は岡本さんで、とてもかわいい子だった。笑顔も素敵で・・・つき合えた時は本当に嬉しかった。優しいんだよ。その子。いつも気を使ってくれて、デートの時は・・

と話し始めた彼の話は止まらない。止まらない彼は、どんどん話しながら歩く訳で、すでに何週も病院内を歩いていて、色あせているであろう彼の恋愛話をえんえんと聞かされるハメに・・・。盛り上がってる彼は、私に

「ゆみは、どこの大学通ってるの?」

って聞いて来た。ありえない。娘が大学生だよ。徹夜の仕事で、疲れたんだろう。完全に過去の世界に入っている看護士さんでした。


とりあえず、彼女と別れたところで話が終わったので、無事にベットに帰れました。彼が岡本さんと別れずに結婚してたら、私は、歩き続けたのか?と思い、彼の恋愛が短い期間だったことに感謝しました。疲れた・・。


8時にご飯がでてきたものの、全部たべるとすごいカロリーだというのは、わかったので、半分にしました。

それから、8時半に主治医がやってきました。

筋腫の大きさはドッチボールより少し小さめ。けど、重さの実力はなく、1kg程度しかないという報告をうけました。ヤバい。筋腫の大出血事件から、うごけなくなっていた私は5kg増えています。


10日後の病院予約の時に写真を見せてくれるそうです。傷口も見せてくれて

「傷口もわからないし、Hしてもビキニ着ても、誰にも子宮をとったということはわかりません。あなたが言わない限り、誰も気がつかないわよ。」と言われました。

さて、香穂と友達が迎えにきてくれました。香穂に

「あのさー。誰にも子宮全摘出したことわからないんだってさ。手術って、すごいね。」

って興奮して言ったら、香穂が冷静に、

「ブログであげたから、みんな知ってるよ。私の友達まで知ってるもん。」

と言われてしまった。そうだよなー。みんな知ってる。(笑)

朝9時に病院を出て、自宅に戻るとほっとしました。病院滞在時間は、朝5時半から次の日の9時まで。27時間半ですね。


午後には、お友達が食べ物をたくさん作って、運んでくれました。

すごいごちそうです。スープを戻してしまったことは今回の私の失敗でしたが、みんながおいしい料理を持って来てくださり、うれしい限りです。吐き気もなく、いくらでも入ります。幸せだ・・。こんな幸せがあっていいのか?と思うくらい食べ物はおいしいし、みんなに優しくしていただいて、本当に幸せです。メールもたくさん頂きました。

まだお返事を書けていませんが、ありがとうございます。本当に嬉しかったです。

渡は、香穂と協力体制に入り、洗濯を手伝ったり、私の部屋に氷水を運んでくれたりと、よく働いています。

けど、その時の顔がちょっと誇らしげで、笑ってしまう私です。