自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

アメリカの大学生の期末試験前

香穂から久しぶりに電話が掛かってきました。明日から全校で期末試験が始まるそうです。

期末に備えて随分前から図書館は24時間営業。大学1年生は全寮制なので、ほとんどの1年生は夜は寮に戻らず図書館で過ごすようです。授業が終わってから図書館に入った子どもたちが出てくるのは、次の日の朝9時だそうです。香穂はこの9時の軍団が居なくなったところで、いれかわりに図書館に入り、海が見えて電源コードがあるいい位置の席を取るそうです。

この学校は、カフェや図書館あらゆるところから海が見えて、夜になると海に移った月を見ながら勉強するんだそうです。

この学校、US.newsの「環境のいい大学の1番」に入る大学ですので、たしかに環境は最高にいい。



香穂が夜遅くなって寮に戻る時に怖いのは、へんな人に襲われるとかそういうことはなくて、鹿だそうです。

Windyが亡くなってから、相変わらず香穂だけは鹿にまとわりつかれるようで、夜中に歩いてて

”校内にいる野生の鹿とご対面”

が一番怖いそうです。


劇の設定が終わったあとも夜おそくなると

「先輩、鹿がこわいんで、寮まで送ってもらえますか?」

となるそうで、あまり他の学校では聞かない会話です。



そんな香穂がめずらしく電話してきたのは

「今、御飯の待ち時間なんだー」

ということでした。というのは、この学校、カフェ(食堂)のお金はまとめて学期の最初に支払います。

そこからポイント制で差し引かれてゆくのですが、学期の最後の方になるとカフェのお金がなくなり、御飯が食べれない子がいるそうです。それで徹夜して勉強すると倒れる生徒が出てくるので学校が期末前には、御飯を無料で配るそうです。けど内容は、夕飯なのにホットケーキ。香穂いわく、

「これが一番アメリカで安い食べ物なのだろう」

ということでした。無料の御飯は逃さないようにしている香穂は、しっかり並んで食べるのでその時間が暇で、電話してきたそうです。

「なんかねー、周りはみんな壊れてる。」

というので、なにか?と思ったら、みんなあまりにも勉強しすぎるために、カフェで友達に会って話をしようとしても会話が成立しないそうです。

たとえば

「おれ、テスト3教科なんだ。で、明日までに論文30ページだぜ!」と言ってる人に

「久しぶりだなー。どうしてた?」

というような会話が始まるそうです。「いま言ったよ・・」みたいな感じ。でお互いに会話がつながってないことに気がついてないそうで、みんな顔が必死だそうです。

香穂もあまりに勉強しすぎて図書館で笑いが止まらなくなったそうです。

なんだか、すっごい大学の期末試験です。