自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

お誕生日おめでとう

香穂の誕生日だったので、マリブまでやってきました。

ウィンディをつれてやってきたのが、数日前。なんだか長いような短いような数日でした。香穂は、ここで1人でウィンディとのお別れを受け入れていたようです。一人で受け入れるのは、結構大変だったようでした。

香穂を迎えにいくと、大学構内に鹿がいて、なんと撮影できるような距離までやってきます。

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香穂いわく

「ウィンディが亡くなった日から、なんだか鹿が私のほうに近づいてくるんだよー。なんでだろ?」

ということだそうです。寮に入ろうとしても寮の入り口に鹿がいて、寮に入れなくなるそうで、他の寮生はそういうことがないらしく、私は

「ペットのお別れをしたあとは、いろいろペットのことを思い出すから、動物に対してやさしくできるような雰囲気が香穂からでているんじゃないの?」

と話しておりました。

大学校内には、鹿の家族が数家族住んでいるそうです。いいなー。鹿が居る敷地内で勉強できる環境って・・。




香穂は、大学のカフェが口に合わないので、(香穂は、大学に行ってから7kg痩せたそうです。)白いご飯と和風ステーキが食べたいということで、キッチン付きのホテルで調理となりました。まっ、大学のご飯がおいしくておいしくて・・・という話は私はあまり聞いたことがないので、万国共通の母親が作るその家庭の味っていうのがあるのでしょう。

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アメリカのステーキは、一枚だいたい450gほどあるので、普通のナイフとフォークでは切れにくく、結局細かく切って、サーブ。

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これは、リブアイというお肉で、我が家の近くのスーパーだと、450g(1パウンド)が、だいたい1200円~700円相当ですが、なんとこの近くの高級スーパーで、セールをやってきて、これが、390円(100円レートの場合ですね。)ほどでした。これは、底値だったので、お店の人が切り続けているらしく、切り立て新鮮で、おいしかったー。ここのスーパーは、肉の質がいいので、私は大満足。

このお店のチェーン店は、香穂の大学から一番近いスーパーで、そこにいくと香穂曰く、

「ハリウッドの俳優さんたちがよく来てる。」

そうです。香穂が一番感動したのがティム・バートンだったそうです。

不思議の国のアリスの件で、ハリウッドに来てたんじゃないか?」

というのは香穂の意見。

香穂曰く、多くの俳優さんたちは、マリブからハリウッドに通うようで、

「うちの大学の子たちが、みつけては、キャーって走っていくんだけど、私はあまり知らないので、無視してアイス食べてるとたまに俳優さんに逆に「俺をしらないの?」見たいな顔で見られる。」

そうです。けど、知らないんだもん・・・。と香穂が笑っておりました、我が家は、渡がテレビを占領してたので、香穂があまりしらないのです。さらに香穂は、俳優よりも脚本家とか、監督とか舞台芸術家のほうが興味があるそうで、もちろんそういう人とスーパーで会った時は、学生は誰もキャーとは言わないそうです。けど香穂は1人

「あっ、すごっ!」と感動するそうです。



このスーパーでは、ワインも在庫のセールでした。売れ残った2本のワインとかは、陳列棚に並べないようです。もちろんそれなりのワインがセールなので、大満足、大好きなRidgeを半額で手にいれて、嬉しい私。

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サラダは、チーズとクランベリーというカリフォルニアっぽい取り合わせにしました。

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スープもつくり、ご飯だけはお鍋で炊きます。

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実は、私は、450gくらいのステーキだったら、1人で食べてしまうのですが、さすがに最近体重が気になる私は、やめました。


食事中も話は、ウィンディの話で、盛り上がります。寂しいときは、みんなでおいしいものを頂きながら話すのが一番。

3人ともウィンディがいなくなった寂しさから少しづつ解放されていきます。それよりもウィンディに感謝のほうが強くなってきました。

3人でいると楽しいことは、3倍、悲しいことは3分の1になるのは、本当かもしれません。


渡は、

「ウィンディは、天国にいった。飛んで天国に行った。猫は飛ぶんだ。僕は見た。」

とケラケラと笑いながら、英語で香穂に言います。

やはり、ウィンディは、渡が悲しい思いをしないように配慮してくれたのかもしれません。

渡にとっては、ウィンディが亡くなったことは、悲しいことより楽しかった思い出として残っているようです。これは、ありがたいことです。自閉症の場合、悲しかったことは後から思い出してパニックの引き金にもなります。

香穂と、

「これも私たちだと意味がわかるけど、普通の人が聞くと、ちょっと頭のおかしいへんな事を言う子ってとられちゃうねー。けど渡の中で、悲しいトラウマにならなくてよかったねー。」

って話しておりました。

不思議なことも私たちは自閉症の渡と長くつき合っているので、渡のピュアな部分も理解できるようになって来ています。



香穂は大学の話をいろいろ教えてくれました。今年は、日本でいう公立に値するUCもStateもコミュニティカレッジも予算削減で悲惨なことになっています。香穂は友達が通っているので、チャットやメール等でいろいろと情報が回ってくるようで、心を痛めております。香穂の大学は他大学と比べて予算が破格にあるので、不景気風は全く関係ないようですが、やはり、友達が大変な目にあっているのは心痛むそうで、40人しか入れない授業に60人入ってるとか聞くと香穂は、自分の受講授業のクラスの平均が10名ですので、申し訳ないように思うそうです。


大学の話は、また後日あげてゆきます。あーおいしかった。

食べたあとは、一泳ぎです。

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気持ちよかったね。