自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

香穂の大学見学

香穂が地元の大学の見学をしたいといいだしました。我が家から1時間半ほど運転して到着するStocktonという街にあるUniversity of Pacificです。急遽、プライベートでお願いしているカウンセラーの方に相談したら、15日に見学会があるので、それに出られてはいかがですか?と言われました。これは、Preview Dayというもので、参加してきました。

この大学は、1851年に創立した私立では、とても古く由緒ある大学で、ここのキャンパスだけで3500名ほどと、Universityにしては、とても小さい大学です。(サンフランシスコとサクラメントにもキャンパスがある)それもそのはず、University of California(UC)の授業が、が、平均40名でおこなわれるのに、ここは、5名とか8名の授業が平気であるような大学です。

学校自体は、アイビーリーグを意識した建築になっているので、趣があります。こんな感じです。

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University of Pacificの今年の合格者数は、だいたい880名ほどがメドで(日本のように554名とか、きっちり決まらない)

昨年度の応募総数は、7000人弱で合格者は、800名ほどだったそうです。

「今年は、涙の1991年生まれの年ですので、もっと受験者数は、増えるでしょう。すでに、応募は始まっていますが、例年にない大量の応募者数です。」

という話がなされました。すでに、今年の合格予定者の偏差値が上がっています。

なぜ涙の91年生まれか?というと、実は、この年は、第2次ベービーブーマーなのです。

香穂のパパの世代が、ベービーブーマーの年で、その子供ですので、91年生まれの香穂は、この波のトップの位置におり、生まれてからずっと、この人口過多と戦っております。University of California(カリフォルニア大学とでもいいましょうか?カリフォルニアにある10校の公立大学たちのことです。)は、91年生まれは、6割が4年で卒業できないと言われていて、(人数が多すぎて、授業が取れないため)財政難のカリフォルニアは、これに対してなんの対処もしないそうです。

「だって、来年になれば、学生が減るのは、わかっているしぃ・・。」というところなのでしょう。

ところが、このUniversity of Pacificは、クラスが満員で取れなかったというケースで、卒業が遅れた場合は、全額無料で、卒業まで面倒見てくれるという親切さ。授業が取れないので、留年してしまい、授業料を払わないといけないカリフォルニア大学たちとは、大違いです。



さてこのPreview Dayですが、なんと2000人が参加。まずは、体育館に集まり、学校の説明、学生が作った学校説明フィルムを観て、学生の話しを聞いて、各コースに分かれ、見学します。

香穂は、アート系なので、アートをみたり、舞台芸術の学科を見たり、寮内を見たりツアーにでたりと、忙しい午前です。午後は、中庭に集まるようにいわれたので、行くとそこには、2000人分のご飯の用意が・・。

2000人分のハンバーガーと、ホットドック、パスタ、チーズ、サラダ等々は、圧巻。

中庭には、2000人分の着席できるテーブルと、イスが配置されています。

そこで、ラッフルがあり、iPod Nanoや、大学のグッズが当たります。

このハンバーガーと、ホットドック、サラダとパスタだけを食べるだけでも、楽しい感じです。

このPreview dayは、毎年10月と11月にありますので、シニア(高校4年)だけでなく、ジュニア(高校3年生の人)も、誰でも参加できるので、ぜひぜひ家族で参加してみてください。オンラインで登録するだけです。無料です。


食事が終わると次は、ファイナンシャルエイドの話(学費の話)です。この大学の学費は、1年31000ドル(100円レートで310万円)が学費です。そこにテキスト代、寮費等が、加わりますので、1年45000ドル(450万円)は覚悟しなくては、いけません。普通の家庭の我が家では払えるわけはないので、スカラーシップ奨学金)に応募します。

この大学の85%が、このスカラーシップを受けていて(留学生が、3%いるので12%のみが、自腹で通っています)個人負担を少なくしてくれます。

スカラーシップの金額は、合格通知が来た後にわかるようで、その金額(何%をスカラーシップでまかなえるか?)で進める大学も自然と決まっている生徒も多いです。

ちなみの写真のバラは、広い構内で所狭しとあちこちで咲いていますが、これは、不況の時期に学生の保護者の一人が、子供の学費を払えなくなり、学費の代わりに学内に綺麗にバラを植えまくったそうです。それを学費代わりにしてくれないか?と交渉した結果、大学側から、OKが出て、その学生は無事に卒業できたそうです。その当時のバラが、まだ綺麗に咲いています。なんでもありのアメリカっぽい話です。


香穂は、SATやACTテストで成績を公開にしているので、香穂のような学生を欲しいと思っている大学からは、香穂の成績をみて、

「100%学費は、うちで出すから、うちの大学をうけてね。」

と逆プロポーズのようなことも起こります。

ほかには、

「50%の学費を出すから、うちに来て」ということもあります。


タップリと説明を聞いたあとは、帰路に付きます。英語を一日聞いてしまった私は、ヘロヘロ・・。

車に乗る前に、お手洗いに行かねば・・と思い、立ち寄った校舎のところで、紳士とゴールデンレトルリバーの老犬がおりました。香穂がそれをみるなり

「あっ、大統領!」と言うので、

「えっ?それって、学長先生のこと?」と聞くと、

「あっそうそう。大統領じゃない。学長だ!」

と言います。たしかに、

大統領は、president of the United States,

学長は、president of the University

だが、日本語では、大きく違うよぉぉ。

私たちは、挨拶して校舎の前で立ち話をすると、犬が、座っている玄関のアスファルトの部分から、下の土の上に落ちそうなっています。学長が

「せっかくシャンプーしたんだから、泥まみれになるよ。もうちょっと前に腰掛ければ・・」

とおっしゃっていました。

学長と、香穂は、お話をしておりましたが、日本の話になり、関西学院大学と交換留学制度のようなものがあるとか、おしゃっていました。もりあがりを横目に、私はお手洗いにゆき、帰ってくると、犬は、やはり落ちていて、泥まみれ・・。

「せっかくシャンプーしたのにね。」

とやさしい顔で、学長は話し掛けてらっしゃいました。

さて香穂が、なぜ学長とわかったか?というと、ツアーの時に

「学内には、学長の家があります。そこに彼と家族は、住んでいます。その家の中に学長室があります。けど、学長は、生徒と話すのが大好きで、しょっちゅう学内をウロウロしているので、学長室にいることは、まずありません。とてもいい優しい学長で、ホームシックにかかった学生には、寄り添って話しをするし、実家に飼っている犬を思い出し悲しくなった生徒には、自分のゴールデンレトルリバーを貸してあげたりします。」

という話を思い出したからだそうです。

なんか、アットホームで、古きよき時代のアメリカの大学の中にいた感じでしたが、説明会を終えて、帰宅の途につきました。

帰ってきてから、香穂が、ぽそっと、

「あのさ・・。実は、私、進路を変えたいのだけど。」

「!!!!★、△、■!」

大変だ!もう願書は出し始めているのでは????

夕方から、大騒動になってしまいました・・続きは明日。