自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

一生忘れられない大晦日

大晦日です。私たちは、今夜は、友達の実家の泊ることになっています。

予定は少しかわって、朝から、渡の咳止めの薬を買い行きました。薬局は、渡はあまりすきな場所ではないので、渡と香穂は、一緒にゲームセンターに行きました。私はゲームセンターの数件隣の薬局で、渡のアレルギーのある薬等をお話して、薬剤師さんに、咳止めを選んでもらいました。私も表示を確認して購入するため、少し時間がかかりました。

その間、ゲームセンターで香穂が渡をみていてくれたのですが、香穂は、元来ゲーマーなので、ゲーセンはすぐに遊び方を理解しました。お小遣いに、制限があるため、慎重にゲームを選んでいたようですが、渡が、アンパンマンが欲しいといいだし、クレーンゲームでアンパンマンgetにトライ。しかし、2敗したところで、ゲーセンのお姉ちゃんが、香穂たちが遊んでいることに気がつき、すぐに、ゲームの扉をあけて、アンパンマンが取りやすいようにしてくれたそうだ。それで、アンパンマンは簡単に貰えました。大喜びの渡は、次はバナ夫が欲しいと言い出したそうだ。香穂は、お小遣いを使って取ろうとしたけど、なかなか取れず、今度は見かねた係りのお兄ちゃんが取りやすいようにしてくれて、Get.

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大喜びの渡です。片時も離しません。私と香穂と渡でお兄ちゃんと、お姉ちゃんに丁寧にお礼をいって、出てきました。

それから、うだうだしていたら、友達から携帯に電話があり、

「桂浜へ行くのか?」

と聞かれたので、バスの本数がないので、どうしようか迷っていると言ったら、親戚の方の車を借りて、ご夫婦で連れて行ってくれました。すごい!渡は、大好きな海をみれて大興奮。浜にある神社までのぼり、大喜びです。

それから、お昼を食べて、坂本竜馬の記念館へ。ここも障害者とその介護者は無料なので(証明書が要ります)私たち家族は、無料です。香穂もいろいろ文献をみて、大喜びです。案内の人にも

「どこから来たの?」

と聞かれて、アメリカと答えると丁寧に相手をしてくださいました。ありがたい。

「日本語、上手いね」

と言われて、うれしそうな香穂でした。

それから、電車の駅まで友達が送ってくれて、いざ、友達の実家の土佐久礼へ。

友達が大きな私たちの荷物を車で運んでくれたので、私たちは、ラクチンで電車で土佐久礼へ向かいました。

土佐久礼駅から、すぐの御宅なのに、友だちが迎えにきてくれて、歩いて、2分ほどの御宅に到着。ご両親が出迎えてくださいました。8年ぶりの再会なのに、まったくご両親は、年とってらっしゃらなくて、驚きです。渡も大喜び。

自宅にはいると3軒ある家の1軒を貸していただきました。

明治28年に建築された家だそうで、家には、欄間彫刻もあり。

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みたことない香穂は、びっくり。

「すごい!綺麗、綺麗」

を何度も繰り返しておりました。

掛け時計も趣があり、綺麗な音が鳴ります。

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香穂も渡も大喜び。渡は、特にこういう趣のある御宅は大好きです。

渡が気に入ったのは、ポンプ式の井戸。その井戸の水は、鯉を、飼っている池へを流れます。

ポンプから何度も水を吸い上げて、池にいれるので、池の水位があがって、鯉が届かなくて食べれなかったコケが池にしずみ、鯉は大喜びですが、鯉が飛び出しそうです。恐ろしい。私が渡に怒っていると、友達のお父様がやってきて、

「うちは、なにもしては、いけないことはないから、止めなさんな。渡が好きなようにさせてあげなさい。」とおっしゃって頂き・・。渡はパラダイス。

その上、初めてみる日本家屋の中身が気になります。スライド式の扉もアメリカには、ないので、全て開けたがります。

私が注意すると、お父様とお母様が

「いいから、そんなことで、いちいち注意しなさんな」

とおっしゃっていただきました。元校長先生だったお父様は、子供の扱いもなれてらっしゃって、結局、渡を連れて、家の中全てをツアーしてくださいました。お父様には、素直についてゆく渡。自閉なんだから、人についてゆくのは、苦手なはずだったんじゃないの?と思った私。

渡は、もう笑いっぱなし。あんなにわらった渡をみたのは、初めてだというくらい笑ってました。本当に土佐久礼まで来てよかった。夜は、大ご馳走。見たことないような大量のお料理とかつをが並び、かつをが苦手な香穂もいただくと

「えっ~!かつをって、こんなにおいしいの?すごい!これは、おいしい!!高知のひろめ市場でたべたのと、全然ちがう!」と、遠慮もせずにガンガン頂いていました。

楽しい夜は更けてゆき、100%渡を受け入れてくださったご家族に香穂も私も心温まり、渡は、人生で一番嬉しい日になりました。一生忘れられない大晦日になりました。ありがとうございました。