自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

ついに、見た!

私の住むサンタクララカウンティでは、大きくわけて学区(District)が運営するクラスと、郡(County)が運営するクラスがあります。

東京でいうと、荒川区等の区が運営するのが学区、東京が運営するのが郡、といえばわかりやすいかも・・。

学区側がIEPを無視して、学区のプログラムにあった渡のクラスがある。といわれて、Countyのクラスにいくことを拒否されたわけです。法律違反なので、文書でなぜそこが渡に合うのか?説明して欲しい。ということと、私は見たことのない学校に子供たちを入学させることはしない(これは、香穂も渡も)という方針なので、見せてくれない限り、入ることは、ない。と伝えていました。けど、学区は、ただ、

「渡に合っている」

といっただけで、あとは、無視。ひたすら無視です。これでは、いつまでたっても物事前にすすみません。

しょーがないので、教育関係の弁護士に間に入って頂いて、解決の方向にもっていってもらうことにしました。弁護士さんは、学区のスペシャリストと一緒に学区が勧めるクラスを見学する予約も取ってくださいました。

で、私が、学校にいくと・・その学区のスペシャリストもサイコロジスト(心理)もどちらもいません。見学はどちらかが立ちあわないといけません。

その上、担任の先生が、見学時間を指定したくせに、教室はもぬけの殻。どうもどこかに行っていたようです。私がねばって、受け付けの人に担任に連絡するようにとクレームをつけると、担任の先生に携帯で電話をしてくれて、やっとでてきました。しかし教室は見学できるというものではなく、生徒は一人も教室に残らない時間帯でした。生徒がもどってくるまでねばると、4人が帰ってきましたが、2人は普通学級へ、残り2人は、エイド(助手)に連れられて、どこかへ消えてゆきました。いったいどこへ消えたんだろう・・・。

担任の先生は、

「スケジュールがあって、いまから、外なの。」

えっ、、いま授業中の時間じゃん!あたなたちさっきまで外にいたから、教室が空だったんでしょう?なんなんだろう?この見学。こんなの初めてです。

クラスの中は?というと、いやぁ・・・すごかった・・学区のクラスは定員が、20名程度(いろんな障害の子供が、入るため)なのに、生徒はたった4名。先生は、自閉を教えた経験がない。なのに誰も先生のフォローや指導はしない。どうやって自閉を教えるんだ!

教室を見渡すと、生徒が勉強する机の上には、山のような書類が・・。つくりかけの作品や、残った色画用紙。床には、壁に張らずに散乱したポスター。教室の隅には、床に物が落ちているために、掃除ができず埃が山になっています。まるで、倉庫のよう。

この教室に入ったとたん、渡は埃にアレルギーがあるので、一気に発作がおこることでしょう。(渡は過去に大発作を起こし、3回緊急にはこばれ、危険な状態になっているので、喘息発作は、おこさないようにしないといけません)

先生は、しゃべりだすととまらないというか、質問されるのが嫌なので、一方的に話してる。私が聞いているか、理解しているか?なんて、知っちゃことではない。という感じです。数学等の内容もみせてくれましたが、どうも小学1年生レベルです。もっと上のレベルができるような気がするんだけど、簡単なのをおしえるのは、楽だものね。

先生は

「私のクラスは、毎日きちんと決められたスケジュールにのっとって、生徒はそれを理解して一日を過ごす」

と言っています。

けど、時計は夏時間のまんま・・・こんなの自閉の子供には、耐えれません。で、どうやって、子供は、時計を1時間差し引きながら、授業をうけているんだろう。これは普通の人でも「合っていない時計」は気持ち悪いです。自閉だともっとだと思う。渡は、冬時間にかわったとたん、ひとつだけかわっていない時計をみつけて冬時間にかえろと大騒ぎだったもの。

たった数十分みせてもらっただけですが、驚くことは、もっとありました。全て書こうとすると、このブログを徹夜で書いても出てくるくらいあります。

見学を途中で終了し、私の仕事である、前の渡の担任のシンシア先生に学区のクラスを見たことを報告しました。

シンシアが

「ついに見れたのね!私でも見せてもらえなかったのよ。よかった!どうだった?」

と聞くので、クラスのことを正直に話しました。シンシアは開いた口がふさがらない状態です。シンシアも

「そんなクラスがあるのね。かわそうな子供たち」

と言っています。学区のクラスは3年前に私が見たときは、すごくいい先生がいて、生徒が18名もいました、きちんとオーガナイズされているクラスでした。渡はシンシアのクラスが合っていたので、そこには、行かず。。。でした。3年の間に、学区のいい先生がやめ、パートの先生を1年とか半年ごとに短期契約で雇い、今年に至ったわけですが、1年ごとに変わる先生の所に生徒がなじむとは、とても思えず・・。クラスの生徒がどんどん辞めてゆき、生徒がゼロに近くなって、学区のプログラムがなくなるのを避けるため学区の思案がみえる感じがする。そのために、わからない、行動を学区は、私たちにとったわけです。さて、ここからは、弁護士さんの出番です。私たちの意思は、きちんと伝えてあるので、どうなるかは、じっと見守ります。