自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症の兄弟って?~人間が豊な子供~

きのうの書き込みで、知らないことの弊害っていうのがありましたので、ちょっと、ひとつお話しを。私のお友達で、9歳の男の子がいます。彼のお兄ちゃんは、2歳上で11歳の自閉症です。自閉症のお兄ちゃんは、同じ学校に通っています。お兄ちゃんは、学校のみんなが知っていて、目立つのが大好きな彼は、お兄ちゃんばかりが、いつも目立って、ちょっと嫉妬しています。(←彼は、いいことでも悪いことでも、とにかく目立ちたい子供です)

ある日彼が、友達のおうちに遊びにいきました。

お友達は、最近、引っ越してきた家族のお宅です。彼は、ふとした時に「僕のお兄ちゃん、自閉症だからさぁ。。」というと、そこのお母さんは、どうも知らなかったようです。彼は、「えっ?僕のお兄ちゃんを知らないの?」と、誰もが知ってる有名なお兄ちゃんのことを知らないので、ちょっとがっくりきていたようでした。(←いつもは、嫉妬しているのに、知らないとなるとがっくりくるところが、かわいい)

彼は、一通り、お兄ちゃんのクラスや学年を話すと、そのお母さんは、彼に向かって、

「あなたは、幸せね。」って言ったそうです。「そのお兄ちゃんと一緒にいるから、あなたは、こんなに人間が豊な上に、やさしいのね。」と。彼は、ニッコリ笑って、上機嫌で自宅に帰ってきたそうです。

自分のお母さんにその話をしました。お母さんは、すぐにそのように褒めてくれた友達のお母さんと連絡をとり、話をすると、そのお母さんは、小さいときから、自閉症の人を知っているそうです。よく遊んだとのこと。

私は考えてしまいました。

我が家にも自閉症の子供がいるけど、誰かが遊びにきて、そういう話をしたときに、「うちにもいるわよ。」と言えても、その言った本人のことまでちゃんと見据えて対等に話をしているだろうか?と。私は、小さいときから、自閉症の友達は周りにいなかったし、障害児さえも、いなかったのです。いたけど、気がついていなかったのかもしれません。なので、障害のことをカミングアウトしたときに、ありきたりの「我が家にもいるわよ」くらいしか言葉が出てこないかもと。

やっぱり小さいときから、いろんな友達に接することができる環境っていうのは、大事だなぁ・・と思った私でした。写真は、きのう見た綺麗な虹です。自閉症の子育ても、こんな灰色の空に虹がかかるみたいに、いろんな大変なことがあっても感動することもありますね。