自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

渡の悪事~医者編~

渡は、自閉症のほかに重度喘息とアレルギーがあります。自閉症が、死に至らしめるということは、直接的には、あまりないですが、(車の前に飛び出すとか、徘徊するとか、渡の場合はありましたが)重度の喘息は、油断するとわりとすぐに息ができなくなるので、渡の場合は、発作がでると、死ぬということと距離が近くなる気がします。

喘息とアレルギーの渡には、現在、専門の先生がついています。けど、先生さがしは、永遠の課題だと思うくらい大変です。だって、自閉症になれた先生を探さなさいといけないのですから。今の渡の喘息の先生は、とてもラッキーな形で出会いました。


発作がでたので、あわてて電話をかけた喘息とアレルギーを専門に診るクリニックの先生が、なんと自閉症に慣れた先生だったんです。最初に先生のオフィスにいった渡は、騒ぐ、駆けずり回る、看護婦さんのリクエストには答えない、とやんちゃぶりを発揮。

それをみつけた先生が、ぱっと来て、渡に

「渡、僕のおもちゃで一緒に遊ばないか?」

と声をかけてくださいました。私は、渡は普通のおもちゃでは遊ばないので、

「先生、そりゃ、無理があるよ。」

と思ってました。

先生は、渡が聞く耳をもつまでゆっくり話してくれて、渡の目が少し光った瞬間に、さっとおもちゃを抱えて、また診察室に入ってきた。


先生の手には、おもちゃじゃなくて、砂時計、触るとくるくるとまわる板の形の癒し系グッズ、玉がつらなっていて、パンパンと定期的なおとを出すふりこ・・。などなどが入っていました。私は、驚き、渡は狂喜。嬉々としておもちゃで遊ぶ渡。先生が私に

「僕ね。バークレー自閉症の子供たちを2年ほどみてたんだ。日本も遊びにいったことがあるよ」といってくださいました。

ご機嫌になった渡は、先生に聴診器できちんと体をみせて、(自分から、服をめくって!)最後までいいコで診察をおえました。もう私は、びっくり。

そうすると、やおら渡が立ち上がり、先生に握手をもとめたんです。それで先生が手を差し出して、握手をかわすと、渡がたった一言、

"You did good job."(よくやった!)

と先生に言ってのけた。

先生と私、大爆笑。

握手しながら医者を誉める自閉症児って・・・。

渡、アンタはいつから、そんなにえらくなったんじゃ!と思った私でした。